写真好きなご主人と、料理好きな奥様が始めた、日曜日だけ開く特別なお店
長野県安曇野池田町内鎌地区の北アルプスが見える場所にあるパン屋さんで食べられる種類豊富なベーグルパン
移住してパン屋さんを始めた理由と、長野県暮らしの楽しみ方を工房VRONYの山本夫妻から伝授していただきました。
本記事は信州池田活性化プロジェクト「Maple Tree」が発刊するフリーペーパー『いけだいろ』5号からの抜粋記事です。
山登りと写真が好きで長野県へ移住-旦那さんと奥さんで異なる山の楽しみ方-
山本克久さん(以下、克):若いころから、山登りがとても好きでした。カメラは大学一年の時に初めて買いました。それ以来、写真の魅力に取りつかれ就職してからはヨドバシカメラに貢いでいましたね(笑) なので、写真にハマったきっかけは山登りですね。
山本久子さん(以下、久):主人は、山登りに行っても普通の人とは見るところが違うんですよね。私はピークハンターで、上へ上へひたすら登りますが、主人は登るだけでなく、様々なものを見ています。
克:山に登ると疲れて帰ってきますね。疲れるというのは山登りで疲れるのではなく、花や生き物を見たり、写真を撮ったりして下を見ているので疲れるという… 山に存在する、ありとあらゆるものに興味があります。花、鳥、気象、星も含めて。山に登るときは20万分の1の地図を持っていき、頂上に着いたら地図と照らし合わせて、山の名前や場所をチェックします。山に登って、知識が増えて帰ってくるのが面白かったですね。
週に1日しか開かないパン工房のおもしろさ-職業病と人とのつながりがキッカケ-
久:私は元々、薬剤師でした。ただ、趣味でお菓子やパンを作るのも好きでした。しかし、職業病で科学物質過敏症になってしまい、早めに仕事を辞めました。こちらに引っ越してくる前にも、家でお料理を教えたり、作ったパンを友達にあげたりしていました。そして、池田に引っ越したら週一回ならパン屋さんができるかなと。やっぱり、知らない土地に来るので何かきっかけがあれば、人との繋がりもできたりしていいなと思いました。
あとは、ここの土地から北アルプスが見えるので、そこにウッドデッキをつくって、来た人に楽しんでもらいたい!とも思いました。家を建てていただいた青い風さんにお願いしてスイス風の太い手すりにしてもらい、そこをテーブルにして楽しんでいただこうと。
だから、パン屋というよりは、パンを買いに来た人とコミュニケーションをとりたい。さらに、お客様にはこの景色を眺めて楽しんでいただきたい。ここに住んでいる人も、意外と山をゆっくり見る時間が少ないとおっしゃるので、理想はお散歩がてらここまで歩いて来てVRONYでゆっくりしてもらいたいですね。「日曜日のお昼はVRONYで」っていうのを目指しています。お客さんからも週1回っていうのが逆に面白いと言っていただいています。
メインは2人で山の見える暮らしを楽しむために来たのですが、やっぱり地域のために少しでも役に立つことがしたくて。自分たちの持っている趣味を生かして、皆さんと仲良くなって、役に立てればいいなと思っています。
パンの語源はポルトガル語で「ペイン」 痛みを分け合う食べ物-おすすめはカンパーニュ-
久:わたしの好きなパンはカンパーニュです!カンパーニュとは仲間という意味。
克:カンパーニュって仲間っていう意味なんだけどカンパニーも同じだろうと。パンを分け合う人々というのが元々の意味ではないでしょうか。
久:あと、パンはポルトガル語なのですが、もともとは「ペイン」痛みからきているんですよね。痛みを分け合うって意味も含まれているんだとか。『しあわせのパン』っていう北海道の洞爺湖(とうやこ)が舞台の映画があって、それに登場するカフェ“マーニ”を目指してパン屋をやっています。
その映画は、痛みを分け合い乗り越えていくというストーリーなんですよね。VRONYもそういうパン屋になりたいなと。来た方に温かい気持ちになって帰っていただきたいなと思っています。他のパン屋さんとは少し違い、パンを売るのが目的ではなく、来た方に少しでも幸せな時間を過ごしていただきたいです。
パン工房VRONY
〒399-8602 池田町会染5758-8
営業日:毎週日曜日 営業時間:11時~16時
取り置き販売(専用電話 080-5389-4726 受付は営業日の10時から。)直接販売も行っているが、売り切れ次第終了。
写真工房
撮影・デジタル加工・作品のお手伝い。
詳細・連絡はHPから http://kobo-vrony.sakura.ne.jp/
- インタビュー
「食」を通じて関係人口を創出する:地域と出会うサブスク通販サービス『そのとちぎふ…
『そのとちぎふと』を運営する株式会社picks design代表の松浦さんにお話を聞くとともに、実際に『そのとちぎふと』を体験してみた様子と感想をレポートしてみたいと思います。最後には本記事読者限定の特別な情報もあるので、気になった方は、ぜひ『そのとちぎふと』を体験してみてください。 - インタビュー
観光調査を委託するならKAYAKURA-エビデンスに基づく観光政策立案を支援-
近年、EBPM(エビデンスに基づく政策形成)の高まりや、DMOにおけるKPIの形成確立の要請など、調 […] - インタビュー
田舎感は人それぞれ、グラデーションがある-『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしを…
講談社から2021年4月23日に発売されたマンガ『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』は、田舎暮らしを”リアルにおもしろく”描いた作品でありながら、”移住を考える人の役に立つ”学び多い作品でもある。後編では田舎での人とのつながりや、読者・知人からの作品への反応、移住を考えている方へのアドバイス、作品の注目ポイントなどをお聞きした。 - インタビュー
『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』原作者に聞く!-タイ…
講談社から2021年4月23日に発売されたマンガ『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』は、田舎暮らしを”リアルにおもしろく”描いた作品でありながら、”移住を考える人の役に立つ”学び多い作品でもある。前編後編にわけてクマガエ氏へのインタビューの模様を掲載するが、前編ではクマガエ氏自身の移住体験や、マンガのタイトルに込めた思い、メディアによる田舎暮らしの扱い方に対して思うことなどをお届けする。 - インタビュー
実家の茶の間-長野県池田町で社会的に弱い立場の人の居場所をつくる-
長野県池田町には地域を元気にするために活動している団体がたくさんあります。今回は子どもからお年寄りまで幅広い世代が集まって、話をしたり一緒に食事ができる場所を運営する「実家の茶の間」代表 曽根原鈴美さんにお話を伺いました。 - インタビュー
スキー輸入代理店が仕掛けるDIYによる持続可能なまちづくりの提案【株式会社フリー…
なぜスキーの輸入代理店から始まったFreefloatがスキー場の運営や空き家の利活用、スペースの運営を行うのか。株式会社Freefloat創立メンバーである代表取締役 屋田翔太、取締役 荒居悠、田中麻乃、坂本琢磨の4人に、まちづくり事業を行う背景と目的・課題意識について話を聞いた。