2020年代を予測するための5つのキーワード-SBNR・MaaS・SDGs 他-

デジタル専門人材

2008年のリーマンショックの余波が落ち着きをみせた矢先の2011年東日本大震災にはじまり、平成から令和へと元号が変ることで1つの時代に区切りがついた2010年代が終わると同時に世界中を襲った新型コロナウイルス。予測不可能なリスクと共生していることを実感させられた2010年代だったが、果たして2020年代はどんな10年間になるのか。本記事では2020年代の社会を予測するうえで知っておきたい5つのキーワードを簡潔に説明している。インプットし新しい時代を予測するうえで最低限知っておきたい知識を身につけてもらえたら幸いである。

SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2015年の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。2030年を目標年に定めたSDGsは2020年代の世界的キーワードであることは間違いない。なぜならSDGsに関係ない人は世界中に誰一人としておらず、SDGsの目標に掲げられる貧困」「ジェンダー不平等」「地域間不平等」「気候変動」「過度な消費行動」などの課題が10年経っても解決に近づかなければ、世界は危機的な状況に陥ると予測できるからである。

驚異的な速度での発展によって発生した人類の課題は、世界共通の目標なしに各国、企業、個人が振舞い続けると改善に近づかないばかりか解決からどんどん遠ざかってしまう。課題を解決しなければ世界の状況はますます悪化し人間の生活をさらに危険にさらし、みんなが幸せに暮らせる世界からは離れていってしまう。この状況を大胆に変革し安心安全で平和な世界に近づいていくための目標がSDGsなのである。SDGsについてもっと具体的かつ詳細に知りたい方はこちらの記事をご覧いただきたい。

MaaS(Mobility as a Service)

MaaS(マース)とはICTを活用することで交通をクラウド化し、マイカー以外の全ての交通手段での移動を「サービス」としてとらえシームレスにつなぐ新しい移動(モビリティ)の概念である。2020年現在明確に概念は決まっておらず各事業者が連携を深めながら実証実験や社会への導入を進めている。MaaSによって実現されるサービスとしては、スマホを利用した全ての公共交通サービスのワンストップサービス・移動系ゲームアプリを利用した移動制御・公共交通のサブスクリプション化など多岐にわたる。

MaaSには現時点でどのレベルにあるのかを示す指標が存在する。サービスの統合度によって0~4まで5段階のレベルわけがなされておりレベル分けは以下のようになっている。

レベル0統合なしこれまでの状況。移動主体がそれぞれサービスを提供している状態
レベル1情報の統合利用者が異なる交通手段の情報を一括で検索できる段階。Google Mapなどがこれに近い状態にある。
レベル2予約・支払いの統合利用者が交通案内だけでなく同一プラットフォーム上で発券や予約、支払いまで行える段階。
レベル3サービス提供の統合各交通手段・移動サービスを、利用者が複数の事業者が存在することを意識せず単一の運営主体が提供するサービスのように利用できる段階。
レベル4政策の統合事業者だけでなく国や自治体が都市計画や政策にMaaSを組み込み官民共同で社会問題の解決を図りながら、交通・移動サービスを整備していく段階。MaaSが目指す未来像はここにある。

SBNR(Spiritual But Not Religious)

SBNR(エス・ビー・エヌ・アール)は”Spiritual But Not Religious”の頭文字をとった言葉で意味は「無宗教型スピリチュアル層」「精神的ではあるが宗教的ではない」を指す。平易な言葉で表すならば「精神的な豊かさを求めるために絶対的な宗教以外のものに興味関心をもつ層」といえるだろう。SBNR層は人によって価値観や行動が異なるためひとくくりにできないが、以下のようなものに興味関心をもつ層はSBNRに含まれる。

菜食主義・マインドフルネス・精神文化・自然との調和・禅・瞑想など

ここであげたのはほんの一部だが、これらのSBNR層が興味関心をもつコンテンツはさまざまなビジネスにおいて活用されていくだろう。物にあふれ絶対的なものが薄れつつある流動化した社会において、若者を中心に自分自身の心身に投資対象が移行している現象の一つとしてSBNRは考えられる。SBNRについて具体的な事例を交えてより知りたい方はこちらの記事をご覧いただきたい。

Well-being

Well-being(ウェル・ビーイング)とは個人または集団のコンディションが良い状態を表す概念である。日本語に翻訳すると「幸福」「良好性」「福利」「良好性状態」などが考えられるが定まった訳は存在せず英語のまま利用するのが一般的である。元々はWHOが1948年に発表した憲章の中で出てきた表現であり、一般的な英語表現としては変だったことが逆に注目を集め「身体のみならず精神面・社会面も含めた新しい健康の概念」として広まっていった。

日本WHO協会が1948年のWHO憲章を訳した文では「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます」となっている。近年、企業の経営の方向性や組織の在り方、空間設計などを考える際に導入されることが増えてきている。上記のSBNR同様に「豊かな」「幸福」を多角的にとらえており、2020年代はこれまで以上に「幸せ」の価値観が多様化していくことが予想できる。

エシカル消費(Ethical Consumption)

エシカル消費とは環境や社会問題の解決に貢献できる商品を購入し、解決に貢献しないもしくは悪影響を与えるような商品を購入しない消費活動を指す概念である。日本語では倫理的消費といい、エシカル消費を実践する消費者のことはエシカルコンシューマーという。Googleでの「エシカル」検索数は年々増えていたり、2015年に消費者庁にエシカル消費の研究会が立ち上がったりするなど注目度は年々高まっている。

代表的なエシカル消費としてあげられるのはエシカルファッションである。劣悪な労働環境でつくられた商品、フェアトレードを自称していながら現地の労働環境を把握せずつくられた商品、大量生産大量消費型の商品、使用が禁止されている原材料からつくられた商品などが大量に世の中に出回っていることからエシカル消費は広まっていった。オーガニックコットンや天然染料を使う、材料の無駄が出ないように心がける、環境に配慮するなどのことを重視したスタイルをエシカルファッションという。

まとめ-6つ目のキーワードは「パートナーシップ」-

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fujiwaraさんによる写真ACからの写真

5つのキーワードの特徴は「行政・政治・民間・個人全ての連携が必要不可欠であること」である。その意味で最後にもう1つキーワードをあげると「パートナーシップ」が2020年代はこれまで以上に重要になってくるだろう。パートナーシップは有効的な協力関係を指す言葉で多様なアクターが連携していくことを意味する。現在以上に多様性がまず2020年代に必要な能力は「間に立って調整する能力」になることは間違いない。2020年代を生きるうえで知っておきたいことについてもっと読みたい方はこちらの記事をぜひご覧いただきたい。

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.