この言葉をニュースで聞かない日は無いほど急速な勢いで認知されてきている言葉「SDGs」ですが、その目的や内容はあまり知らない人も多いと思います。特に疑問を持つ方が多いのが「なんでいま急にSDGsという言葉が出てきたのか」「なんでいまSDGsが必要なのか」ということです。
正しく必要性を認識できれば誰もが「だったらよりいっそうSDGsを意識した行動を個人も企業もしたほうがいいね!」と思うことは間違いないSDGs。ある種のブームにもなっているSDGsがなぜ今必要なのかをみていきましょう。
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SDGsは世界の共通目標
SDGsは日本語にすると「持続可能な開発目標」となり世界が一丸となって達成すべき「目標」であることがわかります。ではなぜいま世界共通の目標としてのSDGsが必要なのでしょうか?
簡単に結論を述べるとSDGsは「世界規模の課題をよりはやく解決するため」に必要な目標です。
世界規模の課題とはSDGsの17の目標にもなっている「貧困」「ジェンダー不平等」「地域間不平等」「気候変動」「過度な消費行動」などがそれにあたります。
近代以降人類は工業化と成長、そして利益第一の「人類が成長できるのであれば他の要因がどうなってもいい」というスタンスにより、それまでの時代とは比べ物にならないほどのスピードで発展を遂げてきました。
驚異的な速度での発展は人類に多大なる恩恵をもたらすと同時に環境への負荷や人間への悪影響も少しずつクローズアップされるようになりました。
驚異的な速度での発展によって発生した人類の課題は、世界共通の目標なしに各国、企業、個人が振舞い続けると改善に近づかないばかりか解決からどんどん遠ざかります。
課題を解決しなければ世界の状況はますます悪化し人間の生活をさらに危険にさらしてしまい、みんなが幸せに暮らせる世界からは離れていってしまいます。。この状況を大胆に変革し安心安全で平和な世界に近づいていくための目標がSDGsなのです。
国・企業・個人 全てのアクターがSDGsを達成するために動かなければならない
「世界の安心安全や平和はどうでもいいから、私は自分の生活レベルが向上すればいい!やりたいことができればそれでいい!」という人もいると思いますが、実は私たち個人の生活もSDGsを達成することでよりよい方向に転換していくと断言できます。
私たち人間は周辺環境や社会の状況に強く影響を受けています。当たり前になりすぎて気がつかないことが大半ですが、SDGsの達成は周辺環境や社会の状況を大きく変革し結果的に私たちの生活自体をよりよいものにしていくのです。例をあげてみていきましょう。
生活を乱す異常気象や強力な台風を減らすためにはSDGsの達成が必要
産業革命以降の人類はエネルギーの消費量が莫大に増加したことで、二酸化炭素の排出量が一気に増え空気中の温室効果ガス濃度が上昇することで気候変動が起き異常気象が頻発する世のなかになっています。
2019年10月に東日本を襲った令和元年東日本台風(台風19号)は、交通網、住宅、工場、農業などビジネスに甚大な被害を与えました。農林水産関係だけでも被害総額は1000億円を超え全国で86人の命が奪われました。
近年さまざまな研究によって台風や異常気象は威力が短時間で一気に増すようになってきていると指摘されています。そしていくつもの研究がそれらの異常気象は地球温暖化と関係していることを明らかにしています。
地球温暖化により海面温度が上昇すれば台風の威力は増しますし、ある研究によればこれまで100年に1度レベルの台風が100年以内に、5年~10年に1度の頻度で発生するともいわれています。
強力な台風は私たちの生活インフラを乱し「いつも通り」の暮らしを破壊することは多くの方がここ数年で身をもって体験しているはずです。
電車が停まったり木が倒れて停電が起きたり仕事に間に合わなかったり、これらの負の影響は世界レベルで解決すべき課題である「気候変動」と結びついているのです。
異常気象や強力な台風が発生する頻度がもしも減れば、確実に今以上に安心安全で平和な暮らしをみんなが送れるようになります。
職場や社会の男女不平等の撤廃のためにはSDGsの達成が必要
男性と女性の賃金格差や就労条件の不平等さ、性的に女性を搾取する産業や広告イメージ、家庭内での理不尽な夫による亭主関白、このような社会に存在する男女不平等は今日世界において最も重要な課題の一つです。
人間はみな生まれながらに平等であると個々人の人権が宣言されてから約250年経ちますが、いまだに性別を理由とした差別は残っています。
セクシャルハラスメントのような個人と個人の間で起こる性的差別は一見すると個人の問題に思われます。
しかしそれは今ではセクハラにあたるような行為がよしとしてきた人たちが生きた社会や時代の問題であり、これほどセクハラが問題視されていながら抑止できない企業や集団に問題があります。
「女性を触ってもいい」というセクハラ行為は個人の意思+加害者が属する社会や集団の価値観/環境が生み出しているものなのです。
アメリカにおける第二次ウーマンリブ運動のスローガン「The Personal is Political (個人的なことは社会的/政治的である)」この言葉が全てを表しています。
個人的な問題と思われていることは社会や政治が強く関係しています。だからこそ、世界が共通の目標「男女不平等の撤廃」をかかげ共通認識をもったうえで課題解決のためにアクションすることが必要なのです。
個人は個人のレベルでできることを、企業は企業のレベルでできることを、そして国は国だからこそできることをしていくことが大切です。
価値観やライフスタイルの多様性が増している世界だからSDGsが必要
あなたが子どもの頃の地域といまの地域を比べてみてください。見た目が黄色人種ではない人に会うことはどのくらい増えましたか?職業を聞いてどんな仕事かわからないことはどのくらい増えましたか?すれ違う人たちはどんな服を着ていますか?
グローバル化によって私たちが暮らす世界は規模を問わずさまざまなレベルで多様性が増していることを実感するようになってきています。
世界中が一丸にならないと解決しない課題がこの世の中にあると先ほど書きましたが、SDGsの正体はライフスタイルもワークスタイルも、世代間ギャップも出自/バックグラウンドも、価値観も言語も宗教も異なる人たちが同じ解決すべき世界の目標に向かうためにつくられた最強の「共通認識を持つ装置」なのです。
共通の上位目標がなければ多様性が増している時代に人々は自己利益を優先してしまい連帯が難しいので、SDGsという共通目標は誕生しました。
まとめ-SDGsは世界が一つになって課題に立ち向かうために必要-
タイトルでも書きましたがSDGsは「世界が一つになって課題に立ち向かうための目標」です。
SDGsの達成はいま世界にある課題を解決するために達成不可欠な目標ですが、それはあなたの子どもや孫の代の世界が、今以上に安心安全かつ平和で生きていて幸せと思える世界にすることも意味します。
SDGsは現代を生きる私たちの生活と将来世代両方にとって重要な達成目標なのです。
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