バックキャスティング, アウトサイド・インとは?-SDGsで大切な2つの考え方-

SDGsに企業や自治体・個人が取り組む際に悩ましいのが「考え方」です。明確な17の目標と169のターゲットに対して「どのようにアプローチすればいいのか?」という問いに対し、ここでは2つの思考法を紹介します。

1つ目はバックキャスティングです。バックキャスティングとは「未来/目標を起点として、いま何をすべきか考える思考法」です。2つ目はアウトサイド・インです。アウトサイド・インとは「問題や課題に対してどうすれば解決できるのか、何があれば解決できるのかを考えながら”課題を抱えた現状”と”解決できた未来”の差異を埋めていく手法」です。

バックキャスティングとは?

バックキャスティングとは未来/目標を起点として、いま何をすべきか考える思考法です。

バックキャスティングとフォアキャスティングの違い

未来/目標を起点とするバックキャスティングに対し、フォアキャスティングは現在/課題を起点として将来を予測する思考法です。フォアキャスティングは現在の延長線上に未来/目標達成があると考えます。以下にバックキャスティングとフォアキャスティングの思考法と特徴を整理しました。

バックキャスティングの思考法

未来の不確実性は考慮せず焦点をあてて考える。これまでの経験や体験を踏まえずゼロベースで考える。いまある能力を横に置いて必要な能力をベースに考えていく。

バックキャスティングの特徴

想定外のことが起こっても、変化に柔軟に対応できる(固い計画はなく現在の能力に依存しないため)。未来に目標達成された状況を起点とし、できない理由ではなくできる理由を考えていくためイノベーションが生まれやすい

フォアキャスティングの思考法

未来に起こるであろうことを予測して考える。これまでの経験や体験をベースに考える。現在の能力や社会状況を前提に掲げるべき未来の目標を考える。

フォアキャスティングの特徴

想定外のことが起こると変化への対応がしにくい。現在の状況から予測できる範囲で目標を掲げアクションを検討するため、イノベーションが起こりにくい。確立の高い未来を予想するため現在の延長線上の結果を上回るアクションが起こりにくい。

なぜバックキャスティングがSDGsで重要なのか?

SDGsは2030年までに達成すべき目標が明確に決まっています。そのため目標/あるべき未来の姿を起点として今やるべきアクションを考えるバックキャスティングが適した思考法です。

フォアキャスティングでは現在の延長線上のアクションは起こりにくいですが、SDGsの場合は目標起点にある種の強制をされる形で「できないことよりできることを考えてください!」といわれます。難しい問題・課題がつきつけられるSDGsですが、フォアキャスティングでは間に合わず最適解も導きにくいので、バックキャスティングで考えることが大切なのです。

アウトサイド・インとは?

アウトサイド・インとは自身の外側にある問題や課題を起点として解決方法を考えるアプローチです。問題や課題に対してどうすれば解決できるのか、何があれば解決できるのかを考えながら、「課題を抱えた現状」と「解決できた未来」の差異を埋めていく手法をアウトサイド・インと呼びます。

アウトサイド・インとインサイド・アウトの違い

アウトサイド・インに対してインサイド・アウトという考え方があります。インサイド・アウトとは問題や課題の解決を考えるときに、自分自身を改善することなく自身の外側になる問題や課題は解決できない!と「自身」を起点する考え方です。これは現在の延長線上で未来を考える方法だといえます。

なぜアウトサイド・インがSDGsで重要なのか?

現代は多様性が増している時代です。約200の国があり、個人間でもバックグランドや収入・社会階層は異なります。このような時代においてSDGsが解決を目指す目標自体も複雑化しており、他者の視点に立つ努力、他者の考えを想像する能力が求められます。

この思考法を実現するためには、アウトサイド・インで世界的・社会的なニーズや物事の動きを把握して行動することが必要です。自身を起点としたインサイド・アウトでは自身の考え方を押し付けるような自己中心的なものになりがちだからです。SDGsは国際的に前例のないものに取り組む目標であるため、目標起点のアウトサイド・インでアプローチしないと現実と目標の際は埋められないのです。

ここでは極端な言い方をしましたが、自社の強みを生かし自社の成長を延長線上で考えるインサイド・アウトをすべて排除すべきというわけではありません。インサイド・アウトのアプローチは個人も企業も誰もがこれまで当たり前として来た考え方だからこそ、+α

目標を起点に自身の行動を考えるアウトサイド・インがなければ、SDGs達成のための効果的なアクションは考えられません。

最後に-SDGsはフレームワークの使い方が重要-

SDGsは国際的な目標であるため、企業や自治体・個人が取り組もうとすると何をすればいいのかわからないことが多いかもしれません。そのときに有効なフレームワークがバックキャスティングでありアウトサイド・インなのです。これらのフレームワークを用いることで、考えやすくなり自身とSDGsを関連付けやすくなると思います。困った際にはぜひ活用してみてください。

KAYAKURAではSDGsに関する講座や勉強会の講師・WSのファシリテーション、SDGsと関連した地域活性化・地方創生・観光インバウンド・移住関連事業のサポート/コーディネート、執筆、調査を行っております。お困りの方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.