【今日から実践!】優れたインタビューには7つのコツがある

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「回数を重ねてもインタビューがうまくいかない」
「もっといい質問をしたらより深い回答が返ってくるかもしれないけど方法がわからない」
「聞きたいことが聞けなかった」

インタビューに関する悩みを抱えている人は多いと思います。「私」と「相手」の2人で一緒につくる制作物ともいえるインタビューは、私だけが頑張っても相手だけが頑張ってもうまくいかない難しいものです。しかし実は「優れたインタビュー」にはコツがあります。

大学院でインタビュー調査について専門的に学び研究を行い、これまで延べ300人以上にインタビューをし、イベント/講座ファシリテーターとして年間を通してゲストや参加者に質問をしている筆者は、「7つのコツ/ポイント」を押さえるだけでインタビュースキルはグッと向上すると考えています。

  • 3つのインタビューパターンから適切な方法を選択する
  • 2つの質問方法の違いを知る
  • 相手の話を聞いているだけではダメ!?
  • インタビューは始まるまでが勝負
  • 相手の話、聞いていますか?
  • 比較する
  • ○○によって▲▲は変わる

7つのポイントを押さえて明日からインタビューの質を数段高めましょう!インタビュー初心者が気を付けたいことについてはこちらの記事をご覧ください。

目的によって3つのインタビュー方法から最適なものを選ぶ

アンケート調査やインタビュー調査、データ分析などを専門に研究する学問分野「社会調査」では、インタビューには「構造化インタビュー」「半構造化インタビュー」「非構造化インタビュー」3つのパターンがあるといわれています。目的によって自分はどのパターンを使うべきなのか事前に分かっていると、戸惑うこともなくインタビューに望めます。

構造化インタビュー

構造化インタビューはあらかじめ質問者が質問内容を決めておく方法です。質問紙やアンケート、メモをもとに決まった数の質問を決まった文言で質問します。「聞きたい内容が明確な場合」「雑誌や資料に載せる項目が決まっており、ピンポイントで答えを得たい場合」は構造化インタビューが適しています。

インタビューが苦手な人は「インタビュー時に緊張してしまう」ことが多いと思います。事前にカチッと質問を決めてリストにすることで漏らすことなく質問ができます。事前に考えた質問をインタビュー前日までに回答者に送り、目を通しておいてもらうのも得策です。

非構造化インタビュー

非構造化インタビューは事前に質問を全く決めずに対話するインタビュー方法です。「回答者と深い対話がしたい場合」「答えにいきつかなくてもいいから、じっくり話をしたい場合」「回答者の事前情報が何もない場合」は非構造化インタビューが適しています。

非構造化インタビューは、普段インタビュー慣れしていない人や年配の方などに話を聞く際におすすめです。この場合、インタビューは会った瞬間、自己紹介の瞬間から始まっています。最初の一言から聞き逃さないようにし「相手が何を大切にしているのか」「相手の興味関心はどこにあるのか」を意識することで、深い対話が生まれるでしょう。

半構造化インタビュー

半構造化インタビューはあらかじめ質問をいくつか決めておいて話の流れで当初想定していなかった質問もする方法です。「3つだけ絶対聞きたいことがあるけど、それ以外はその場の雰囲気で質問する場合」「相手の前提情報がある程度あって聞きたいことも決まっているけれど、予想外な回答も聞きだしたい場合」に半構造化インタビューは適しています。

多くの人におすすめなのがこの方法です。事前に相手の情報が入手出来ていたら検索したり資料を読んだりして「必ず聞きたい3つの質問」を考えておきましょう。それさえ聞ければその日の最低ラインはクリアです。半構造化インタビューにすることで絶対聞きたいことも聞けますし、4つ目以降の質問次第で派生した予想外の話も聞けるかもしれません。

オープン・クエスチョンとクローズドクエスチョンを正確に使い分ける

質問方法には「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」があります。

オープン・クエスチョンとは?使い方と長所短所

オープン・クエスチョンは制約を設けず相手に自由に答えてもらう質問です。英語の5W1Hがこれにあたります。(どう思いましたか? / ○○はどうでしたか?/▲▲について意見をお聞かせください)

オープン・クエスチョンでは回答者のリアルな言葉で考えや思いを聞ける可能性が高くなります。一方、質問者の聞き方が悪いと相手が質問の意図を理解できなかったり、話が抽象的になりすぎたり、意図とは異なる答えが返ってきたりするので使い方に気を付ける必要があります。

上手なオープン・クエスチョンをするためのコツは「お互いの前提条件を整理すること」です。

質問者:悪い例

あなたは政府についてどう思いますか?

と聞いても、相手は意図がわからずなんと答えればいいのか分かりません。しかし多くの場合、質問者の中には聞きたいテーマや対象あり前提としている条件があります。質問が長くなってもいいので、質問者の想定や前提条件をプラスして伝てみましょう。

質問者:良い例

2020年4月現在、日本では新型コロナウイルスが流行っており政府の対応が毎日注目されています。あなたは日本政府の対応についてどう思いますか?

オープン・クエスチョンは「質問者が聞きたいこと」と「前提条件」をハッキリ言葉にして回答者と共有することで、質問の意図が明確になります。オープン・クエスチョンは「質問者の付け加え」次第でオープン度合いが変るのです。

質問者:良い例

いまから数問は、2020年現在の日本の政治についてお聞きしたいと思います。~~~

いくつか関連する質問が続く場合は、その都度区切りとなるテーマを明言するのもおすすめの方法です。質問者が付け加えすぎると誘導になってしまいますが、適度に質問に情報を付け足すことで答えやすいオープン・クエスチョンが完成します。

クローズド・クエスチョンの使い方

クローズド・クエスチョンは回答範囲を限定した質問の仕方です。大まかにくくると英語の Do you, Are youなどにあたります。(▲▲とは、それのことですか?/○○は好きですか? / AとBどちらが好きですか?)

質問者が利きたいことが明確なとき、相手の考えや事実を明確にしたいときにクローズド・クエスチョンは有効です。しかしクローズド・クエスチョンばかりだと浅く淡白なインタビューになってしまうので、必要最低限にしましょう。

自分の話も適度に織り交ぜる

インタビューに慣れていない人だと「自分の話はしてはいけない」と思っている人が多い印象を受けます。しかし筆者は質問者は適度に自分の話をしたほうがいいと思っています。

あなたが回答者だったとします。始めって会ったインタビュアーにいきなり「では1つ目の質問です。」と言われたらどう思うでしょうか?「この人いったい何のために来たんだろう?」「どんなメディアに載るんだろう?」と不審に思い、正直に話すことをためらうでしょう。

質問者は、まず初めに手短に以下の点を回答者に話すことをおすすめします。これらを伝えるだけで相手の警戒心は解けて、ある程度心を開いて話始めてくれるはずです。

  • 名前
  • どこから来たのか(県名と市町村名、居住地や会社がある場所の近くの有名なものの名前を挙げると相手が反応してくれる可能性大)
  • どんな媒体に、いつ頃、何文字くらいで載るのか(媒体や時期によって話す内容を合わせてくれる可能性大)
  • インタビューを通して「特に何を知りたいのか」を熱をもって伝える

インタビューの途中でも、適度に共感した気持ちや似ているエピソードなどを交えることで、より回答者は心を開示してくれます。あなたが自分のことを話していないのに、相手は自分のことを話してくれません。時間に余裕をもたせて「取材」ではなく「会話」することを意識してインタビューをしてみましょう。

ググってわかることは”基本”聞かないほうがいい

過去にインタビューを受けている人であればインターネットで取材記事が読める場合が多いです。筆者はインタビューを多数こなす傍ら、回答者になることも多くありますが、同じ質問を何度もされると「また、その質問か…」と少し嫌になってしまいます。なにより、最低限の情報を知らないことは失礼にあたります。

Google 検索、Facebook、Twitterで事前にインタビュー相手の名前を検索し、一通り情報に目を通してくことは重要です。場合によっては当初は想定していなかったおもしろい情報が検索によって見つかり、当日のインタビューの質が高まるかもしれません。

しかし、検索して引っかかったことであなたが興味をもったテーマやエピソードがあれば、それは当日も聞いてみましょう。その際「事前に調べて出てきた○○というテーマ/エピソードについて、私は▲▲と感じとても興味関心をいだきました。ぜひ詳細に伺ってもよろしいでしょうか?」と自分の感想や思いを交えて質問しましょう。

こうすることで回答者はあなたが事前に準備をし熱意をもっていることを受け止め、事前に調べてヒットした情報以上のことを話してくれる可能性が高まります。

相槌やジェスチャーで「私はあなたの話を聞いていますよ」とハッキリ伝える

インタビューで回答者が最も不安になる瞬間は「質問者の反応がないとき」です。人は怒られるよりも悲しまれるよりも「無視されること」が苦痛で悲しい生き物です。無視は存在否定と同じなのです。

インタビュー中、質問者は集中すれば集中するほどメモに必死になったり次の質問を考えるので精いっぱいになり、回答者の話に対しての反応が薄くなってしまいがちです。

質問者は「すごくいい話が聞けている!これは素晴らしい!」と思ってメモを取り質問を考えていても、反応がないと「私の話おもしろくないのかなぁ」「なんのためのメモなんだろう?」と、回答者は不安になったり別のことを考え始めたりしてしまいます。

インタビューの際は、ちょっと大げさなくらい「相槌を打つ」「思ったことを口に出す(なるほど!/いいですね~/その気持ちわかります!)」ことを意識しましょう。回答者はあなたからの反応が多いほど「私の話しっかり伝わってる!」と安心します。安心してもらえると「警戒心」が薄れるので、きっと想定以上のお話を聞くことができると思います。

比較をする-時間軸・一般的な事例/有名な事例・強み弱み-

インタビュー中、次の展開に困ったときは「比較」する質問をしてみましょう。分かりやすいのは「過去・現在・未来」の比較です。同じ人が同じことをしていても、過去と現在と未来では意識や手法に変化があることが多いです。

現在の特徴を明確にする為に比較するもよし、未来の話を聞くためにあえて過去と現在の話をするもよし、時間軸で比較してみましょう。もし質問して「変化はないかなぁ」と返ってきたら、それ自体も「時間が経っても変わらない」という特徴であることも忘れずに。

一般的な事例や有名な事例と比較することで特徴が明確になることもあります。「このPCの特徴はなんですか?」と聞くのではなく、「このPCはAppleやMicrosoftのPCと比べて特徴はなんですか?」と聞くことで回答者は違い=特徴を語りやすくなります。

回答者のさまざまな側面に迫りたい場合は、「強み」と「弱み」どちらも聞くのがおすすめです。強みばかりを聞いていると、文章の場合は後で読んだときに嫌味に映ってしまうこともあります。そこであえて「弱み」も聞くことで読者が「共感する」文章になる可能性があります。さまざまな側面から回答者に迫ることが大切です。

最後に-7つ目の優れたインタビューのコツは…-

いきなり実践するのは難しいかもしれませんが、ここで紹介した6つの優れたインタビューのコツを押さえるだけで、あなたのインタビュースキルを数段向上するはずです。最後に優れたインタビュー7つ目のコツをここまで読んでくださった方だけに教えます。

7つ目のコツは「質問によって答えは変わることを自覚する」です。最初に説明したようにインタビューは質問者と回答者が一緒につくる制作物です。つまり「質問によって回答は変わり、回答によって次の質問は変わる」このような循環構造にインタビューはあるのです。

同じ意図で質問しても、語尾や言い回しが少し違うだけで回答は変わります。「このインタビューは1度しかない」ことを肝に銘じて、焦らず一言一言丁寧に言葉を選んで質問することが優れたインタビュー7つ目のコツです。ぜひ常に心の片隅にこのことを置いておいてください。

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.