Iターンとは「大都市部で生まれ育った人が地方部に移住すること」です。
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Iターンとは
Iターンとは「都市居住の係累(面倒を見なければならない家族など)のない地方の農山漁村への自発的な移住」を指す言葉です。わかりやすく噛み砕くと「大都市部で生まれ育った人が地方部に移住すること」となります。
Iターンという言葉は長野県発祥の言葉です。Iターンは1980年代に元参議院議員の小山峰男が長野県社会部長時代に作った造語であり、都市→地方への移動の直線的な動きが英語のIと重なることと、地域を愛(I)するにかかっています。
なおIターンの移動、ターンしていませんがそれ以前から存在していたUターンと同じ形態の言葉とすることでわかりやすく浸透することを狙ったといわれています。
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Iターン者の移住動機と生活
Iターン者の移住動機については菅による研究から以下の5つのように分類されています。しかしこの分類は1999年時点のものであるため、インターネット環境の整備や交通インフラの拡充により現在ではさらに多くの動機に分類できると考えられます。
- 自然の中で子育てがしたかった
- 都会を脱出したかった(反都会)
- 食の安全と自然志向
- 農業などの自然相手の仕事への志向
- 自然の中での起業志向
移住世帯の年間総収入は200万円~300万円が多く、収入はかなり低いですがIターン者の定住意識はかなり高く、生活満足度も高いことが指摘されています。
Iターン者の受け入れに関する障壁
Iターン者の受け入れに関しては、Iターン者が地域に定住し、起業などによる地域の活性化を図るためには、受け入れる集落側の伝統的な共同意識という障壁があり、地元民の協力と理解が大きな課題であることが指摘されています。
関連書籍
参考資料
・稲垣吉彦, 1999, 『平成・新語×流行語小辞典』講談社.
・菅康弘,1999,「脱都市移住者の群像-‘stranger-native interaction’ の理解のために」『甲南大学紀要文学編』190 : 140-166.
・関谷龍子・大石直子,2014,「農村地域におけるソーシャル・イノベーターとしてのI ターン者」『佛教大学社会学部論集』59 : 25-47.
・高木学,1998,「交わること混じること-地域活性化と移り住むもの-」間場寿一編『地方文化の社会学』世界思想社.