介護移住とは

移住大辞典

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介護移住とは「介護のために移住すること」

介護が必要となった高齢者が移住するケースと、介護をする為に親族が移住するケース、介護を受けるために施設がある地域に移住するケースなどがある。

介護移住とは

介護移住とは「介護のために移住すること。介護が必要となった高齢者が子どもや孫などの所に同居するケースや、介護の必要な親の家に子どもなどが同居するケース、施設に入所するために施設がある地域に移住するケース」などを指します。

介護移住が広がる背景

2007 年から団塊の世代の大量退職が始まり、退職世代人口の増加に拍車がかかっています。それに伴い介護サービスの重要性が増してきていることが大きな要因です。

老年世代人口が増加し、家庭内扶養機能が弱体化するなかで、施設介護サービスの重要性が増していますが、施設サービスは依然として供給過少状態にあり、多くの自治体・施設において入居待機者が数多く存在しています。そのため介護施設に入所できる地域まで移住するケースが目立つようになってきています。

その他の要因としては、介護保険制度によって、高齢者は入所する地域や施設、サービスの選択が可能になったことも大きいです。

介護移住の実態

中澤, 川瀬らの2008年の研究が日本における介護移住の実態を実証的に分析しています。それによれば、介護を主に受ける層である後期高齢者は、前期高齢者と移動傾向が明確に異なり、大都市中心部からの流出、大都市周辺自治体への流入、地方中核都市への流入というパターンを持つことが明らかになっています。

また後期高齢者の移動要因は、全国的に各自治体の施設介護サービス水準の高さに影響されていることが明らかになっています。つまり施設介護サービスの質が高い自治体に後期高齢者はより介護移住する傾向があるということです。

この論文が発表されたのは2008年ですが、現在、団塊の世代の高齢化が進んでおりこの傾向はますます強くなっています。そのため地域の介護サービスの在り方や介護政策を考えるうえで、今後さらに高齢者の介護移住という要因を無視することはできなくなるでしょう。

また前期高齢者が東京圏から流出し地方移住した先で10年、20年と生活できたとしても、その後は都市部や都市部周辺の自治体に介護移住する必要が出てくる可能性があることがこの研究結果からわかります。

移住促進施策を進める自治体は短期的に前期高齢者層の移住者が増えたとしても、中長期的にみると彼らは流出し結果として空き家が生まれるという可能性を念頭に置く必要があるでしょう。これは地方移住する当事者も念頭に置いておいたほうがいい事実です。

参考資料
中澤克佳, 川瀬晃弘, 2008, 「介護移住の実証分析」.

この記事を書いた人

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Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.