空き家バンクを使ってかしこく中古物件を探してみよう!

空き家

「田舎に移住したいけど、金銭的に厳しいからできないなぁ」そう思っている方はきっと多いと思います。しかし、近年、金銭的な補助や住宅補助を充実させることで移住者を呼び込みたい地方自治体が増えてきています。地方自治体が設けている移住支援制度を上手に使うことで、予想以上に安くスムーズに理想の田舎移住ができる可能性が高まっているのです。

数多くある移住支援制度の中で多くの市町村が導入しているものの一つが空き家バンク制度です。

「新築は高いけど中古物件なら買えるかもしれない」「せっかく田舎に行くなら古民家に住みたい!」と考えている方は多いと思います。しかし、移住先に直接行って中古物件をたくさん見て周るのは厳しいですし、都会にいると情報もなかなか入ってきません。 そんなときに便利なのが空き家バンク制度です。

本記事では空き家バンク制度の概要から、実際の使い方まで丁寧に解説していきます。

空き家の増加が問題になっている

地方に限らず都会も含めて、空き家の増加がいま問題になっています。過疎化による空き家増加、人口に対する住宅の供給過多による空き家増加、いまでも続く日本人の新築志向などがその原因です。

(株)野村総合研究所の「2018年、2023年、2028年および2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測」によれば、 今ある住宅の有効な活用が進まなければ、平成45年(2033年)には日本全体の総住宅数に対して空き家の割合は30.2%にまで上昇すると言われています。

このような社会状況を背景にうまれた制度が空き家バンク制度です。

空き家バンクとは?

空き家バンクは空き家持ち主と買い手借り手をマッチングする制度

空き家バンクとは、 空き家を売りたい人、貸したい人に空き家物件を登録してもらい、その情報を地方自治体が運営する空き家バンクサイトで公開し、空き家を買いたい人、借りたい人に情報を提供する制度です。

地域に眠る空き家を利活用することで移住・定住を促進し地域をよりよくすることを目的としています。

空き家バンクには空き家情報以外の役立つ情報も載っている

空き家バンクのサイトには、空き家情報のほかに空き家の所有者が宅地建物取扱業者(宅地建物取引業法に基づいて業務を行う業種。不動産業と宅地建物取引業は厳密には異なる。宅地建物取引業が仲介業を専門とするのに対して、マンション管理や入居者対応など幅広く不動産に関する業務を行うのが不動産業)に支払う仲介手数料や、空き家を購入した人が行う改修工事等の補助金情報が掲載されていることが多いです。

空き家バンクは地方自治体のサイトもしくは不動産会社のサイト

空き家を買いたい人、借りたい人はまず初めに各市町村の空き家バンクサイトを閲覧しましょう。空き家バンクサイトが整備されていない市町村はいまだに多いですが、企業が運営する空き家バンクサイトに情報を掲載している市町村も一定数あるのでリンク等探して空き家情報にアクセスしてみましょう。

一例として、私が住む長野県池田町の事例をあげてみます。池田町は空き家バンク登録物件が常時10程度あります。空き家バンク登録物件情報は不動産紹介サイト「ココスマ安曇野」に掲載されていて、最新情報はココスマ安曇野で閲覧するシステムになっています。

空き家バンクサイトには、物件写真のほか売却なのか賃貸なのか、物件所在地、交渉状況、物件用途、構造、敷地面積、床面積、建築時期、空き家になった時期、間取り、設備、価格情報など非常に詳細な情報が載っています。

気になる物件があったらまずは問い合わせてみよう!

空き家バンクの担当部署は分かりづらい

気になる物件を見つけたら、まずは自治体の担当部署に問い合わせてみましょう。空き家バンクは比較的新しい制度のため、自治体によって課の名前がバラバラです。中には、課の名前を見ただけではどの部署が担当なのか、本当にそこが担当なのか分からない課もあります。問い合わせの際には、「空き家バンクを見て連絡した」旨をしっかりと伝えましょう。

担当者の応対の仕方は移住を決める際にとても大切

少し話は逸れますが、空き家バンクを見て問い合わせた際にチェックしたいポイントは、担当者の応対です。移住前の相談や物件紹介、実際に移住する際のサポート、移住後の地域との関わり方や制度など、移住窓口の担当者とは数か月から数年の付き合いになることが多いです。

そのため、担当者の応対や知識量、担当者の親身度、行動に移すスピードは移住を決める際に重要になってきます。できる限りストレスなく接することができかつ親身になってくれるか、しっかり動いてくれるかを問い合わせから市町村に行ってみての過程で見極めましょう。

実際に私が知っている移住者の方で移住の決め手が「担当者が親身になってくれること」だった人がいます。一つの市町村だけでは親身かどうかわからないこともあるので、検討している市町村いくつかに連絡をいれてみたり窓口に行ってみると分かることがあるかもしれません。

地方自治体は情報提供や連絡調整までしか行わない

空き家バンクを運営する地方自治体は、空き家バンクを通して空き家物件の情報を提供したり、空き家の持ち主と借り手買い手間の連絡調整をしたりします。

しかし、地方自治体は空き家物件のあっせんや交渉、契約などは行いません

空き家バンクで見つけた中古物件が買いたいときには、所有者と利用希望者の当事者間で交渉を行います。しかし、一般の人には交渉を0から進めることは非常に難しいため、宅建業者などに仲介を依頼し代行、サポートしてもらう方法が一般的です。

まとめ―空き家バンクは地域と移住者のマッチングシステムでもある

空き家を借りて住むことには様々なメリットがあります。新築よりも安く住めること、DIYなどを通して理想の家を作れること、古民家や昭和の家に住めることなどです。

空き家バンクは上記のような空き家を探している人たちと空き家をつなぐ優れたシステムです。しかし、行政が仲介するため斡旋できない物件があったり、そもそも持ち主が売りたい貸したいと決断した物件でなければ表面には出てこないという欠点もあります。

まずは調べてみる、そして連絡してみる、そして会いに行ってみる。空き家バンクは家と移住者のマッチングであると同時に、地域と移住者をマッチングするプラットフォームでもあります。うまく使って理想の地方移住を実現してみてください。

KAYAKURAでは地方移住・新しい時代のライフスタイルに関する講座や勉強会の講師・WSのファシリテーション、執筆、関連した地域活性化・地方創生・観光インバウンドなど関連事業のサポート/コーディネートを行っております。お困りの方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

-ラジオ版KAYAKURA-

ラジオ版KAYAKURAは毎回1つのテーマについて5分~10分で深堀する音声コンテンツです。テーマは社会課題・最新ニュース・地方創生・観光インバウンドなど。スキマ時間の学びを思考を促す内容となっていますので、ぜひ聴いてみてください。

この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.