シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)とは?わかりやすく社会学用語を解説(例あり)

社会学における質的研究においてポスト実証主義の学派として最も早い段階で発展したのが「シンボリック相互作用論」である。シンボリック相互作用論はプラグマティズムに強く影響を受けており、主にアメリカ/シカゴ学派を中心に発展してきた歴史がある。

シンボリック相互作用論の特徴は「自己や個人の内側に中心を置いて、社会状況における意味の創造を強調する研究と考え方の領域」である。著名なシンボリック相互作用論の系譜に置かれる社会学者としては、ミード、クーリー、ブルーマーなどがあげられる。

シンボリック相互作用論においては「役割」「アイデンティティ」「複数の現実」などがキーワードとなる。研究対象の特徴は日常生活に強い興味関心を持つことにある。

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シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)とは?

シンボリック相互作用論(Symbolic Interactionism)は日本語でときに象徴的相互作用論と呼ばれる研究と考え方の領域です。シカゴ大学の社会学者ハーバード・ブルーマーが名付け親であり理論的な基礎を作りました。

シンボリック相互作用論とは「自己や個人の内側に中心を置いて、社会状況における意味の創造を強調する研究と考え方の領域」です。シンボリック相互作用論に多くの研究者が魅かれる理由は、その比較的把握しやすいフレームワーク、社会と個人との相互作用を理論的に研究できることなどが挙げられます。

シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)に影響を与えた思想

シンボリック相互作用論に大きな影響を与えている学者としてミードが挙げられます。彼は個人と社会は存在論的に独立することはないと考え、個人と社会の相互作用を通じて、人々は他者が自分をみるように自身をみる能力を発展させます。

ミードは「役割取得」という概念で自己の中心性を説明しています。私たちの振る舞いは社会状況や環境に大きく影響を受けており、意識的な行為は自分たちが期待され他者がとっている役割を理解することで促進されます。つまり人々は社会の状況を定義して意味付けをするのです。このプロセスはシンボリック相互作用論の基礎となっています。

シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)の概念と特徴

シンボリック相互作用論は「モノと出来事には、日々の社会的相互作用のなかで個人的に意味付けされなければ、本質的な意味は存在しない」という立場をとります。この際にブルーマーは、精神・自己・社会の基本的前提がシンボリック相互作用論の考え方の基盤になると唱えました。

人のモノに対する行為はモノが持つ意味に基づく。モノの意味は人と社会の社会的相互作用から生じる。意味は個人の一連の解釈を通して常に変化する。この3つがシンボリック相互作用論の基礎です。

シンボリック相互作用論はアイデンティティについても固定的ではなく流動的であるとの見方をとります。役割が折り重なることで生まれる個性を構成する複数のアイデンティティは、固定的で永続的なものではなく、異なる社会状況ではアイデンティティの優先順位は変わります。シンボリック相互作用論は、ある状況下の現実の複数性に対して強い関心をもつのです。

シンボリック相互作用論は社会的な現実については「交渉される秩序」であるとみます。特定の社会的状況における異なる集団や個人同士の終わりのない交渉を通して、合意が得られるものが社会的現実であり、それは全て交渉される秩序なのです。これは社会的現実が構築されたものであることを強調するものであり、根本には社会派相互作用的であるという前提があります。

シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)研究事例と調査方法

シンボリック相互作用論の代表的研究事例として、メルヴィル・ダルトンの古典的研究『伝統的管理論の終焉』があります。ダルトンは工場における管理者の解釈と管理の過程が密接に関わっていることを理解しようとしました。ダルトンの研究によって、工場生活を構成する非公式的な組織が公式な方針や給与の決定に影響を与えることを描き出しました。

シンボリック相互作用論の調査方法はダルトン含め多くの場合、インタビュー調査と観察になります。ミクロな視点から対象にとって何が重要で意味があるのかを理解するため、ときには長期間組織やコミュニティを研究することも必要です。そこでは参与観察も積極的に並行して行われます。

インタビューはある特定の状況についてどのように起こっているのか、どのように解釈しているのかを尋ねる質問を多く行います。インタビューは基本的にオープンエンドで、回答者の発する言葉にあわせてインタビューの方向性はどんどん変化していくのが特徴です。

シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)への批判

シンボリック相互作用論に対しては以下のような批判があります。研究者はシンボリック相互作用論を用いる際に、いかにこれらの批判点を乗り越えるかが試されます。

  • 個人主義的過ぎる
  • 社会からの圧力や権力関係に盲目である
  • 無意識的な自己はシンボリック相互作用論から抜け落ちる
  • より広くマクロな社会的、文化的パターンの理解に向いていない
  • 個人の能力を過大評価しすぎている

シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)を学ぶのにおすすめの本

シンボリック相互作用論に関する本は日本ではあまり多く出版されていません。ただ1980年代~2010年代にかけて当方く大学、東京大学で教授を務めた船津衛氏が日本におけるシンボリック相互作用論第一人者なので、彼の本や論文を手に取ることで日本語でシンボリック相互作用論が深く学べます。

最後に-シンボリック相互作用論(象徴的相互作用論)の今後-

シンボリック相互作用論はいまだ色褪せていない魅力的な質的研究方法です。現代では社会学以外の学問分野でも積極的に活用されているので、他の理論とハイブリッドする形で新たな展開をしていくことが期待されます。

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参考文献

-ラジオ版KAYAKURA-

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.