地方に移住してお菓子とケーキのお店をオープン-長野県安曇野池田町手作り菓子工房 小さな気持ち-

お店に入る前からほんのり甘い香り。

お店に入るともっと甘い香り。

鼻もだけど、瞳から甘さを感じる。

オーナーの河村さんが言っていた。

「売っているのはお菓子だけど、大切にしているのはお菓子を作りたいっていうちょっとした心の動きや気持ちなんです。」

そんな小さな気持ちを五感で感じられるかわいくて魅力的なお店が長野県安曇野池田町にできました。

本記事は信州池田活性化プロジェクト「Maple Tree」が発行するフリーペーパー『いけだいろ』10号に掲載されたものの抜粋記事です。

ちょっとした「心の動き」や「気持ち」を売りたい

店で扱っているのはお菓子ですが、実際にこの店で何を売りたいかと考えたときに、「お菓子を作りたい」という“ちょっと”した「心の動き」「気持ち」を売りたかったんです。イメージとしては心に湧き上がったものを売る感じです。商品はお菓子ですが、お菓子の向こう側にあるものを感じていただけたらいいなと。

日々、感じる気持ちや心の動きをブログに書いています。お店の情報はもちろんですが何気ない生活の中で思ったことも書いているので、読んでもらえたら嬉しいです。

東京都阿佐ヶ谷商店街パールセンターから始まった仕事人生活

もともと40歳近くまで、舞台装置をつくる大工のような仕事をしていましたが、以前、住んでいた東京・阿佐ヶ谷の商店街「パールセンター」が好きで、そこで仕事をしたいと思ったのがきっかけです。仕事を探していて最初に雇ってくれたのがケーキ屋さんでした。それまでケーキとか洋菓子には縁がなかったのでマイナスからのスタート。

でも、実際にやってみると、今までやってきたものと同じだなと。「トンカチ・カナヅチがパレットナイフ」「クギが生クリーム」になっただけで“モノをつくることには違いない”と。そう思えるようになってからお菓子づくりが楽しくなっていきましたね。

地方で店を開くために-景色、土地、建物、条例、経済面が場所選びの決め手-

年間、東京・阿佐ヶ谷の商店街にあるケーキ屋さんで働く中で、40歳になったら店を持ちたいと漠然と考えるようになりました。できれば、東京を出て地方で店を開きたいと思い各地を旅行しながら良い場所を探していました。その中で、信州・安曇野に来たときに「ここだ!」」と思ったんです。

池田町は、景観はもちろんですが、土地、お店の建物、条例や経済面など現実的にも店をやっていけそうだと思いました。ただ、今は車があるので気にならないのですが、もっと交通が便利ならと旅行で来たときに感じました。交通がもう少し便利になれば観光客も増える気がします。

今の土地を紹介してもらったとき、自分が理想としているイメージとピタっと一致したんです。イングリッシュガーデン(イギリス風の庭。計算してつくれるイメージではなく、自然につくられていくイメージで用いられる。)のように草とか花が咲き乱れていて緑の中に小さな山小屋が埋もれているようなイメージ。

建物はロシアの「ダーチャ」に近づけたいなと。ダーチャは農家の方が物入れに使う小屋のことです。緑をかき分けた先に小屋がある風景が理想なので、これからもっと木々や草花を茂らせて良い意味で雑然とさせていきたいです。

 お母さんの手作り感ある商品を

「手づくり感を出せるものを」という気持ちは常にあります。材料へのこだわりはそこまでないのですが、あえて小奇麗にしないようにしています。パッと見たときに、お母さんが作ってくれたケーキみたいなにしたいんです。プロがカチッとつくったようなものは出したくないんですよね。“キレイにちょこまか”ではなくて、“ドーンと大胆に”という感じ。以前勤めていたケーキ屋さんも同じようにドーンと大胆に、だったので、そこで培ったものを存分に生かしています。

日々変わる内装 テーマは「私の部屋」

お店の中は『私の部屋』をテーマにしています。こだわってセレクトしたものを置いているのではなく、実際に生活で使っているものをランダムに置いています。お菓子に使う果物や空になったワインの瓶とか。飾ってある絵は妻が描いたものです。ピアノも妻が持っていたもので、今は展示用ディスプレイになっていますが、気が向いたときに弾いたりもします。本も旅行本から絵本まで店の雰囲気に合うものを置いています。日によって店に置いてあるものは変わっていくので、同じ店ですが今日来た店と次に来る店は少し違うかもしれません。

来るたびにお菓子が違う楽しさを

準備段階では、庭づくりを中心にひっそりマイペースに好きなようにすすめていました。でも、オープンしてみると、どんなお店か気になっていて心待ちにしていたという方が多く来られて…こんなに注目されると思っていなかったので正直、驚きました。

あと、オープンしてみて想定していたよりもお菓子をたくさんつくれないことに気づきました。1人で接客とお菓子作りを両立するって改めて大変だなと。途中で在庫がなくなったりして、全部の商品を常に揃えるのが難しい状況ですが、逆転の発想で“つくりながら売る”“来る度に売っているお菓子が違う”感じでいこうかなと最近は考えています。

営業時間は9時~18時30分です。朝は早く買いに来れるし、夕方は仕事帰りに買って帰れるかなと。買いたいと思ったときに来ていただいて好きなものを買ってもらえるようにしたいです。来てくださった方の期待に応えられるように今後も頑張ります。

□営業時間 9時~18時30分
□定休日  火曜日と水曜日

□なんと、営業時間外でも在庫にあるものであれば帰るとの特別な情報を聞きました。営業時間外でも気軽に声をかけてくださいとのことです!

□ご予約、ご要望は下記から。
 住所 〒399-8602
    長野県北安曇郡池田町会染1321-1
 電話 0261-61-4808
 mail tsumakuni@gmail.com

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最後に、効率よく学ぶために本を電子版で読むこともオススメします。

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などの特典もあります。社会や地域の課題を冷静に正しく分析する力は、読書や映画鑑賞などの幅広い経験から鍛えられますので、気になる方はぜひお試しください。

この記事を書いた人

Masato ito

国際大学GLOCOM研究員/講師。1996年、長野県出身。博士(社会学)。一橋大学大学院社会学研究科、日本学術振興会特別研究員を経て2024年より現職。専門は地域社会学・地域政策学。研究分野は、地方移住・移住定住政策研究、地方農山村のまちづくり研究、観光交流や関係人口など人の移動と地域に関する研究。多数の地域連携/地域活性化事業の立ち上げに携わり、2事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。日本テレビDaydayやAbema Prime News、毎日新聞をはじめ、メディアにも多数出演・掲載。