地方移住するなら絶対チェックしたい国や都道府県の補助金/支援金

憧れの地方移住はいざ準備を始めてみると想定以上にお金がかかるのもの。引越し侍調べによれば単身で都道府県を超える引っ越しをする場合4万円~10万円ほどかかります。プラス車代、家具や雑貨など移住は最初に数十万円~数百万単位の費用がかかるのです。

各自治体はさまざまな支援をすることで移住して来てもらおうと頑張っています。しかし自治体ごとの補助や支援では縛りがきつすぎると感じる人も多いはず。そこで本記事では国や都道府県による地方移住を後押しする補助金・助成金を一部紹介していきます。

地方創生起業支援事業・地方創生移住支援事業|国が主導し都道府県を通して受ける支援

2019年度~2024年度に移住する場合に使えるのが「地方創生起業支援事業・地方創生移住支援事業」です。支援を受けられる人は以下の条件に当てはまる人になります(細かな条件は他にもあります。より詳細な情報を知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。

・移住直前の10年間で通算5年以上、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に住んでいて東京23区に通勤していた人
・申請後5年以上継続して移住先市町村に住む意思があること
・移住先で指定の企業に就職するか、自ら起業をすること

単身であれば最高60万円、世帯であれば最高100万円の補助金がもらえる

上記の条件(そこそこ条件は厳しめ…)を満たすことで単身であれば最高60万円、世帯であれば最高100万円の補助金がもらえます。起業する事業の内容によっては、プラスで最大200万円の支援金も交付されます。こうした補助金制度を利用することで、移住費用を前述の金額より抑えられる場合もあるでしょう。

本制度を利用して地方に移住して社会的事業を起業した場合、起業支援金 + 移住支援金で最大300万円(単身の場合は240万円)の支援が受けられるのです。東京圏から地方に移住する方は要チェックですが、地方の中でも支援金が使える地域と使えない地域があるため、自身が移住を希望する地域がこの支援金の対象内にあるか事前に確認しておくことが必要です。

地域おこし協力隊|総務省主導の最も有名な地方移住促進施策

地域おこし協力隊は、過疎化や高齢化などの課題に直面する地方自治体が、都市住民を受け入れて地域おこし協力隊として業務を委嘱し、地域おこし活動の支援や農林業の応援などの「地域協力活動」に従事してもらい、その協力隊員の報償や活動費のうち一定額について国から特別交付税による措置がなされる制度。隊員の活動そのものによる地域の活性化とあわせて、隊員が任期終了後に地域に定着することによる地域の活性化・住民の増加も精度の目的です。

地域おこし協力隊はおよそ1年~3年の間、地方自治体から委嘱を受け、対象の地域で生活しながら地域協力活動(業務)を行います。筆者は約5年前から全国で2番目に協力隊の数が多い長野県を中心に現役の隊員や任期後の隊員への聞き取りを続けています。2017年には長野県主催の協力隊初任者研修のトークセッションによばれた経験もあります。そんな筆者が考える協力隊を検討するうえで大切な点を以下にまとめました。

活動費は自治体及び活動内容によって異なる

地域おこし協力隊精度を利用する自治体には最大で400万円の特別交付税措置がなされます。報償費などで200万円、その他の経費(活動旅費、消耗品費、事務的な経費、定住に向けた研修等の経費など)で200万円がその内訳です。自治体によって活動費や月々の給料は異なるため、事前に気になる自治体のサイトから調べることが重要です。過去の聞き取り調査を通しての傾向は、20代の協力隊の多くは「生活していくうえでは十分です」と答える一方、30代40代と歳を重ね結婚したり子どもができたりすると「協力隊だけの収入では厳しい」と答える人が多い印象です。

先輩隊員の数と任期後の定着率を調べる

先輩隊員の数と任期後の定着率は、その地域がどれだけ協力隊の受け入れ態勢が整っているかを示す指標となります。志願前に実際にその地域に足を運び地域の情報が集まっているカフェや役場の移住担当者などに先輩隊員の数と任期後の定着率を聞きましょう。協力隊制度はすでに開始から約10年が経過しており自治体間の受け入れ態勢の充実度合いに大きな差が出てきています。任期開始後に後悔しないためにも事前の情報収集は怠らないようにしましょう。

地域おこし協力隊の活動や任期終了後の実状についてもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

地方での兼業・副業人材と企業に政府が交通費を支給する新制度

2020年1月10日の日経新聞朝刊にて、人口減少と人材の首都圏一極集中に歯止めがかからない現状を受け、政府が東京圏に住みながら地方で兼業や副業をする人に交通費を支援する制度を始める計画を進めていることが発表されました。この制度は2020年度から実施予定ですが、この制度が始まれば地方での兼業副業・複業、地方リゾート地で楽しみながら仕事を行うワーケーション、テレワークがさらに促進する可能性があります。

新制度の押さえておくべきポイントは以下のとおり。まだ詳細な情報が出ていませんが新制度を使うと、1人あたり年間で最大50万円支給され3年間で最大150万円が支給される予定。交通費が往復で1万円を超える場合には、国と地方自治体が半分ずつ兼業・副業先の企業に助成する仕組みとなっています。

  • 金額の上限は1人あたり年間50万円、3年間で150万円
  • 補助されるのは現時点では交通費のみの予定
  • 対象は東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県

今後の続報に注目の支援制度です。この制度の現時点で明らかになっている情報をもっと詳細に知りたい方はこちらのページをご覧ください。

おためしナガノ|長野県がIT人材の移住を後押し!

長野県は宝島社発行の『田舎暮らしの本』(2020年2月号)による2020年版「移住したい都道府県」ランキングで第1位とな平成18年(2006年)以降、14年連続1位に輝やいている移住優等生。そんな長野県が5年前から行っている支援制度が「おためしナガノ」です。長野県の移住事情について深く知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

おためしナガノの参加条件

おためしナガノは、最大約6か月の長野県ライフおためし期間中、県が宿舎の提供、引越し代・交通費等の補助をする制度。対象はIT関連事業の個人・法人です。参加条件は以下の通り。

  • 法人・個人どちらも可
  • 2019年8月1日現在で、20歳以上、おおむね45歳以下の方(学業と事業が両立できる場合学生も可)
  • 長野県以外に居住している方(長野県出身者も対象です。)
  • 長野県内に拠点(本社、支社、事業所等)を有していない事業者

おためしナガノの支援対象となる費用一覧

支援金額の上限は半年間で30万円と国の支援制度と比較すると決して多くありませんが、首都圏と長野県を移動する際の交通費も対象となるのが嬉しい点。おためしナガノの対象となる費用は以下の通りです。

  • オフィス利用料(コワーキングスペース利用料 最大6か月程度)
  • 移転費(引越代等)
  • 県外(東京等)への業務上の交通費(主要駅間のみ)
  • 家具・家電、自動車等交通用具のレンタル料
  • 住居の通信環境整備費(導入時の工事費等)
  • 住居修繕費(県提供施設利用者のみ。原則として大きな修繕は県が行います。)
  • 県内で開催するセミナー等の会場費

おためしナガノでは最終的にコワーキングスペースを持つ自治体が受け入れ先となります。そのためコワーキングスペースのスタッフさんが地域や行政とのつなぎ役になってくださるので、移住あるある「ホームシック」「ローカルルール分からない問題」が発生しにくくなっています。おためしナガノの最大の特徴はこの点と言っても過言ではありません。

ときどきナガノという制度もある

おためしナガノよりもより気軽に長野県を体験できる「ときどきナガノ」という制度も長野県は行っています。ときどき長野は、IT関連の事業に携わる長野県外の人が長野県を訪れ仕事をし宿泊する場合に、来県1回につき1万円計10回分を上限に補助する制度です。

地方移住するなら絶対チェックしたい国や都道府県の補助金/支援金は他にも!

今回紹介したものは数ある支援金の中でもほんの一部にすぎません。いくつもの支援を比較して自身が描く移住後の生活を達成するのに最も適した支援金を有効に活用してみましょう。地方移住の基本のキについてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

KAYAKURAでは地方移住・新しい時代のライフスタイルに関する講座や勉強会の講師・WSのファシリテーション、執筆、関連した地域活性化・地方創生・観光インバウンドなど関連事業のサポート/コーディネートを行っております。お困りの方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.