池田つむぐプロジェクトとは?-長野県池田町の池田町の未来を大学生が調べ考え紡ぎだす

池田つむぐプロジェクト

池田つむぐプロジェクトは長野県池田町で2018年度から大学生が地域の皆さん・行政の皆さんと共に地域の課題解決に取り組むプロジェクトです。このページでは、池田つむぐプロジェクトの目的・各グループの取り組みについて分かりやすく説明させていただきます。

池田つむぐプロジェクトとは?

池田つむぐプロジェクト

池田つむぐプロジェクト(以下、つむぐ)は、「池田の未来を若者が調べ考え紡ぎだす」をコンセプトに、2018年度から始まった大学生主体のの地域課題解決プロジェクトです。

2018年度~今日まで、参加する大学生の所属は信州大学・長野大学・山梨学院大学・一橋大学の4大学。各大学の地域系ゼミや授業にスタッフが赴いてプレゼンした内容を聞いて、手を挙げた約30名がメンバーです。

プロジェクトの目的は「池田町の未来をよりよいものにする」ことですが、別の目的として県内外の地域系の取り組みに能動的な学生のネットワークを構築するというものがあります。所属する大学では出会えないおもしろい学生と、池田町という共通のフィールドでの活動を通して出会うことができます。

もちろん、池田町で共に活動していくのはベストですが、その先、池田町で出会った学生同士で新たなプロジェクトを立ち上げるという段階が生み出せたらと考えています。大学の枠を超え、市町村の枠も超えて地域をよりよくする活動に取り組む学生が増えるための教育コンテンツとしての側面もこのプロジェクトは担っているのです。

池田つむぐプロジェクトの活動紹介

池田つむぐプロジェクト

つむぐは単年度計画ではなく3年計画のプロジェクトです。2018度は、調査を通して地域の現状を知り未来を予測したうえで、課題の原因を見つける年。2019度は、調査の結果浮き彫りになった地域課題をどのように解決するか決める年。そして2020年度は、課題解決案を地域住民と共に実践する年となります。参加する学生は3つの課題グループ(空き家・子育て・広津観光)に分かれ、それぞれの活動を行っています。

2019年度は6月に1回目の合宿を、2回目の合宿を8月に開催しました。合宿と合宿の間もグループごとに池田町に通いさまざまな取り組みを行ってきました。

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12月には1年間の活動内容を地域の皆さんと共有するための「池田未来会議」というイベントを開催しました。当日は100人近い人が来場しみんなで池田町の未来について語り合いました。

ここからは3つのグループがそれぞれどのような取り組みを行っているか、2019年度はどのような活動を全体として行ったのかを紹介していきます。なお、各グループの取り組みや全体での取り組みは全てメンバーの大学生が分担して書いた生の声です。

広津観光グループ 2019年度の取り組み

池田つむぐプロジェクト

広津観光グループでは、この一年間自分たちが広津や広津の方々にどのようなことができるのかを模索しながら活動を行ってきました。まずは広津について知るために、特に一年生は積極的に広津に訪れました。お祭りの参加や、住民の方のお手伝いなど様々な方面で活動することにより、これまで以上に広津について触れ、新たな魅力を発見することが出来ました。また、Twitter・Instagram・ブログを使いそれらの情報を発信していくことにも力を入れ、広津ファンの獲得を目指しました。

今年一番の成果は11月に行ったプレツアーです。ツアーを行う上で必要なことを学ぶとともに、どのようにツアーを進めていけば良いのかを実際に体験しました。このプレツアーは、その後にできた1.2.3月グループで企画を行う自信にもつながりました。プレツアーでは、これまでお世話になった方々を中心に行っていきましたが、これからの企画は大学生や池田町の中学生なども対象にします。グループメンバーそれぞれの個性や知識を生かしたツアー内容や、幅広い年代が興味を示すような企画を実施し広津に訪れてもらう機会を作るように努めていきたいです。

池田未来会議では、今年度行ったSNSでの広報とツアー活動のまとめを報告しました。またその後、2グループに分かれてコンテンツについて話し合いました。議題は「今年度行ったものと今後行う予定のコンテンツ(陶芸体験・焚き火・星空観察・交流会・餅つき・かまくら作り・ひろつさんぽ)の中で一番参加したいものは何かとその理由」とし、参加者の方々と意見交換を行いました。

どちらのグループでも参加したいものにはばらつきがありましたが、理由として広津地区の自然や文化を活かした企画がいいというのは共通でした。一方のグループでは、池田町内の人が来ていないことやメディア・SNSを使った情報発信が重要になってくるという意見が出ました。もう一方のグループでは、かまくらコンテストやかまくら×お酒=バーなどのコンテンツの組み合わせを行う案や動植物の資源を活かすという案が出ました。これらを通して、今後は資源を活用した町内外に文化を伝えられる企画を行いたいと考えました。

来年度は広津地区に足を運びつつ、イベントを開催するといった「行動」を重ねて住民の方々と一緒に今後の広津の方向性を考えていきたいと思っています。広津にある資源や魅力を見つけ、広津地区に興味をもって足を運んでもらえる企画を考えていきます。

子育てグループ 2019年度の取り組み

池田つむぐプロジェクト

こんにちは!池田つむぐプロジェクト子育てグループです。私達は学生4名、社会人1名の計5名で活動してきました。私達がこの1年間で活動してきたことを報告します。

まず私たちは8月末に行った合宿から本格的に活動をしてきました。8月合宿では、池田町役場様、竹内延彦教育長、Next Ikedu様、シャインマム様、不動産会社の猿田正志様と意見交換会を行いました。また、町内2カ所の児童センターにて実際に子どもたちとも触れ合ってきました。

私達はこの8月合宿を通して、公園だけでなく“学び“の要素を取り入れることで、より池田町らしさを出せるということ、そして、使えそうな空き家があるということが分かりました。

これを踏まえて、9~11月では、より良い活動にするため思索を重ねて参りました。12月15日に行われた未来会議にて、①私達は空き家を使った子どもたちの秘密基地づくりと、②自分発見イベントを通して池田町の子どもたちに主体的に考えられる”生きる力”を身につけてもらいたいという考えを町民の皆さんにお伝えさせていただきました。

①空き家を使った子どもたちの秘密基地づくりでは、第一段階として私達が空き家改装イベントを企画・実施し、子どもたちの秘密基地を作り上げます。第二段階では子どもたち主体で子どもたちらしい思うままの秘密基地づくりを大学生のサポートのもとで行っていくという内容です。②自分発見イベントでは、たとえば「子ども×自然」というように、池田町の地域資源同士を掛け合わせたイベントを行っていきます。しかし現在、子どもたちの安全面やその他の課題などから今後の活動の具体的な内容について検討中です。

2020年、私たちは「池田町の地域資源や、大学生の持つ人的資源を用いて、子どもたちの主体性を育む」ということを目標に邁進していきます。具体的には、①子どもたち向けの遊びや勉強などをするイベント(月1~2回程度)と、②地域住民や興味のある方向けの講演系イベント(年2回程度)などを開催したいと考えております。

その際に、池田つむぐプロジェクトの他グループである空き家グループや広津観光グループと連携していくことも検討中です!まだまだ至らないところもありますが、池田町の皆様とともに、子どもたちの成長をサポートしていきたいと思っています。今後もよろしくお願い致します!

空き屋グループ 2019年度の取り組み

池田つむぐプロジェクト

私たち空き家グループは今年本格的に開始した1年生を中心にしたグループです。

8月30日から9月1日にかけて行った8月合宿では、空き家問題の概要を学んだり、池田町の空き家の現状を見学したり、空き家グループの今後の方向性を話し合ったりしました。空き家についての知識が全くない初心者の私たちにとって8月合宿は今後活動するための大切な時間になりました。8月合宿の中で、「空き家についての入門講座を開くこと」と「空き家(空きスペース)の活用を見て知ってもらうこと」に重点を置くという方向性に決まりました。

それから、月に2~3回の頻度で空き家グループのミーティングを重ね、池田未来会議での発表に向けて話し合いました。
池田未来会議に来てくださった皆様の前で、空き家問題について、空き家チームがやってきたこと、これからやりたいことの狙い、詳細、この4つに分けてプレゼンをしました。

「空き家問題について」は、背景、現状、今後を紹介しました。ここでは、勝亦先生や遠藤さんの空き家問題の資料、先輩方が去年取ってくださったアンケートがとても役に立ちました。そして、池田町では空き家問題に対して不安に思っている方が多いということが分かりました。「やってきたこと」では、夏合宿で訪問した池田町の再生事例の紹介や、未来会議までに調べた全国の再生事例などを紹介しました。

「これからやりたいことの狙い」では、勉強会、座談会、空き家再生物件訪問、活動報告書の4つのやりたいことを考えました。それぞれが空き家への問題意識を高め、空き家を相談できる場所も紹介することで、不安を無くすことができると考えました。「詳細」では、対象、内容、実施回数を具体的に示しながら、2020年2月に行う予定でいる勉強会についても告知させていただきました。さらに内容が固まり次第、池田町の皆様に情報発信していけたらと思います。

空き家グループでは空き家勉強会、座談会、空き家再生物件訪問、活動報告書の作成の活動を予定しています。今年度は昨年度の活動の反省を生かし、実際に被害にあわれている住民の声を聞きながら、住民の方々と池田町の空き家問題をどのように解決に導いてゆくかを考え、行動したいと強く感じています。池田つむぐ空き家グループが活動することで池田町の空き家問題が解決に向けて少しでも前進させられることを目標に今年もメンバー一同頑張ってゆきたいと思います。

最後に-課題解決という先が見えないモヤモヤに取り組む楽しさ-

池田つむぐプロジェクト

つむぐの目的の一つに「地域の未来を知る」というものがあります。「私たちの地域は、今後どうなるのか?」を正しく知ることで、今やらなければならないことを見出します。

しかし時として未来は残酷です。少子高齢化が急速に進むかもしれないですし空き家の増加や税収の減少も必至です。人は「分からない」ことが一番不安です。「分からない」よりは「マイナスな未来を認識したうえで今できることをする」ほうが大切だという考えで学生・スタッフ・住民が一丸となって取り組んでいます。

住民や行政では気が付かない、もしくは気が付いているけど目を逸らてきた地域課題は多々あります。学生が継続的に地域と関わることで「存在するけど見えない課題」を可視化し、それを地域の皆さん共有したうえで「自分たちの地域は自分たちで考える」という思考のスイッチがオンになる人が少しでも増えればと思います。

とはいえつむぐは始まってまだ2年目です。メンバー同士で話をしているときによく話すのは「分かることが増えるほど分からないことも増えてきて、課題解決の道がモヤモヤする!」という声です。ときに悩み苦しみ大変なときもありますが、これはとてもプラスなモヤモヤだと思っています。地域を知れば知るほどモヤモヤも増えますが、霧が晴れた先にある明るい光を求めてメンバー一同引き続き全力で活動していきます!

→池田つむぐプロジェクトのFacebookページはこちら

KAYAKURA

KAYAKURAは「新しい地域と観光を考える」をコンセプトに、地域と地域にまつわる言葉や動向を深く考える地域考察メディアです。

この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.