2030年までの10年間で今よりも持続可能な世界をつくるために、絶対知っておきたい概念SDGs。ただ英語4文字で新しい概念ということで「SDGs初心者はどの本読めばいいですか?」「SDGsを地域で実践したいけどどの本読めば…」という方は多いはず。
そこで本記事では、これまでに読んだSDGs解説本の中でおすすめの17冊を紹介します。AmazonレビューやWeb上の本紹介を引用して作った記事では分からない、読んだからこそ分かるおすすめ本のメリットデメリットも解説します。
記事を読み始める前に、SDGsについて概要やその狙いを知りたいという方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
→【5分でわかる】SDGs(エスディージーズ)とは?わかりやすく簡単に解説します!
SDGsの基本のキについてはYouTubeでも解説動画を公開しています。耳だけでも学ぶことができるので、興味ある方はぜひこちらもあわせてご覧ください!
【わかりやすく解説】SDGsとは何か?-背景・17の目標・私たちにできることなど解説-
【あわせて読みたい】SDGsが楽しく学べるおすすめ漫画4選-作品情報は随時更新!-
【スキマ時間の読書・効率的な学びには「聴く読書」がおすすめ!】
「毎日忙しくて、読書時間が確保できない…」「本は読みたいけど、活字を読むのが苦手…」
そんな皆さんにおすすめしたいのが、「耳で聴く読書」です。
「聴く読書」では、以下のような効果があることが明らかにされています。
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どちらもおすすめの人気サービスなので、気になる方はぜひ登録してつかってみてください!
SDGs入門|村上芽, 渡辺珠子
新書サイズで読みやすい文量のSDGs入門書。これからSDGsに取り組む人の参考になるように、SDGsの基本的な内容はもちろんですが、SDGs観点からみると企業の取り組みがどのように見えるのか、そしてこれから取り組むにあたっての第1歩をどう踏み出すかについてわかりやすく解説しています。
企業経営が主なので自治体経営や地域とSDGsを絡めることを考えている人にとっては少し消化不良になるかもしれません。これから勉強してSDGsとビジネスを結び付けて考えたい人にとっては、ESGとSDGsの関係、イノベーションと持続可能性の関係性、主たる10のテーマと具体的な行動を結び付けて解説する第5章など参考になる内容ばかりです。
60分でわかる!SDGs入門|功能聡子, 佐藤寛
ここで紹介している5冊の中で一番文字が大きくイラストがたくさんあって読みやすいのがこの本。見開き2ページで1つの語句や事例を紹介する流れとなっており、左ページが文章での解説、右ページがカラフルなイラストや表での解説と非常にわかりやすい構成になっています。
ビジネス×SDGsを主なテーマにしているので、SDGs入門と同様に地域や自治体でSDGsを実践したい人はちょっと違うかなと感じるかもしれません。ただビジネス×SDGsを学びたい人にとってはESG投資、SRI、CSV、CSRなど既存の概念とSDGsの関係性や、バックキャスティング・SDGs Compassなど使いやすいフレームワークが紹介されているので買って損が無い1冊です。
SDGsの基礎|白田範史
5名~7名の専門家が各々の知見からSDGsを解説している本書。上記2冊と比べると難しい書き方がされていますが、入門レベルの学術書やビジネス本が苦なく読めれば大丈夫です。基礎と言いつつも全体的に企業や事業でのSDGs実践が話のメインなので、自治体や学校などで使うのにはあまり適していないかもしれません。
新事業の開発・「企業価値の向上などにつながる点を強調したカバーがついていますが、2018年発行の本なので事例は限られています。『SDGsの基礎』と4冊目の『SDGsの実践』は続き物になっているので、より具体的な実践方法や最新の事例を知りたかったり、自治体・地域活性化でのSDGs導入を考えたりしている人は2冊とも買うのがおすすめ。
SDGsの実践 自治体・地域活性化編|村上周三, 遠藤健太郎
地方創生・地域活性化に取り組む自治体担当者や民間団体の担当者は必ず読んだ方がいい1冊。専門的な視点から約10名の執筆者が地域におけるSDGsを解説しています。専門性を重視しているので、はじめてSDGsに触れる人や地域にあまり接点がない人には難しい内容かもしれません。
付録として「自治体SDGsチェックリスト」が掲載されているのもおすすめポイント。SDGsを自治体が導入する際は具体的な目標の設定がネックとなりがちですが、このチェックリストを活用すれば自治体におけるSDGs推進に際して取り組み状況を自己認識できます。自治体の共有本棚に入れておきたいですね。
月刊広報会議2020年3月号 地域×SDGs|宣伝会議
全144ページ中10P~37Pで地域×SDGsを取り扱った月刊広報会議2020年3月号。全ページのうちSDGsに関する部分は約2割と少なめではありますが、SDGsの取り組みで先端を進む5つの自治体 横浜市・北九州市・静岡市・北海道下川町・大津市事業局の事例を分かりやすくまとめています。
内閣府参事官 遠藤健太郎氏、issue+design代表理事 筧裕介氏、NPO法人IIHOE代表 川北秀人氏など日本のSDGsトップランナーたちが、行政の視点・自治体の視点・企業の視点から寄稿しているのもグッドポイント。まだ広く知られていない自治体が行うSDGsの取り組みも紹介されており、地域×SDGsに取り組む人は読んでおきたい1冊です。
まちの未来を描く!自治体のSDGs|高木超
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教で日本で最もSDGsに詳しい人といっても過言ではない高木超氏による著作。内容はとてもわかりやすく読みやすい文体で書かれているので、SDGs×まちづくりの入門書としておすすめです。
またまちづくりや自治体とSDGsの絡みだけでなく、そもそもSDGsとは何か、どんなゴールがあるのかなど初歩の初歩についても丁寧に説明されているので、自治体関係者以外のSDGs入門者が読んでも楽しく学べます。
SDGsとまちづくり|田中治彦ほか
SDGsとまちづくりの関係性を包括的に解説した1冊。自治体の政策動向、地域経済、市民のイニシアティブ、福祉、多文化共生、観光、居場所、社会教育、サービスラーニングなどとSDGsの関係性を論じた本書は、SDGsと地域の関りについて最も広く論じていると言っても過言ではありません。
また筆者らはこの本を出版する前に2冊、SDGsと教育に関する本を出しているためSDGs×教育についての考察は特に鮮やかで深いものとなっています。SDGs×教育×まちづくりに関心ある人に特におすすめの1冊です。
SDGsの主流化と実践による地域創生|遠野未来カレッジ
東日本大震災の被災地から誕生した団体「遠野みらい創りカレッジ」によるSDGs×地域創生本。筆者らはまちづくりの実践的な活動は、SDGsのゴール11のような「災害に強い」「被災してもしなやかに立ち上がる」地域を具体的な取り組みで目指すことが大切だといいます。
本書は上記のようなバックグラウンドがあることから地域のレジリエンスを高めるためにSDGsをどう使うか、地域資源を活用してどのように稼げるまちをつくれるか、企業の未来とSDGsはどのように関わるかを主に扱っています。
SDGs|蟹江憲史
日本政府SDGs推進本部円卓会議委員、内閣府自治体SDGs推進評価・調査検討会委員、環境省持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティング構成員などSDGs関連を中心に政府委員を多数務める日本におけるSDGsの先導役の1人 蟹江憲史によるSDGsの包括的解説本。
企業、自治体、個人がどのようにSDGsに取り組めばいいのかを解説しているほか、なぜSDGsが注目を集めるのか、SDGsのゴールを達成するとどんな効果があるのかなど、みんなが気になる「そもそも」の部分も詳しく解説されています。
SDGsを実現するまちづくり|山口幹幸ほか
SDGs×まちづくりを調査研究する学者と、先進地域でSDGs促進に取り組む民間事業者による共同執筆本。計10人以上の筆者が多様な視点からSDGs×まちづくりを論じているので、偏った見方ではなくいろんな人の考えを知りたい人におすすめです。
内容としてはアカデミックな執筆者が多いこともあり他の紹介している本と比べて少し難しめですが、このテーマで卒業論文や修士論文を書こうとしている学生や、SDGs×まちづくりを理論的に捉えたい人にはうってつけの本です。
SDGs×自治体 実践ガイドブック|高木超
『まちの未来を描く!自治体のSDGs』の著者でもある高木氏によるSDGsを自治体が実践する際のガイドブック。具体的な考え方やワークショップの方法、体験型ゲームの取り入れ方などを詳しく解説しており、自治体現場でSDGsを取り入れようとする人は買って損はしません。
自治体現場の人以外は読むと「もう少し広く地域×SDGsについて知れるかと思った」と感じるかもしれませんが、ここで紹介されている事例は他の分野でも応用可能なので自分なりの視点でガイドブックとして有効活用してみましょう。
持続可能な地域のつくり方|筧裕介
著者は社会課題解決、地域活性化のためのデザイン領域のプロジェクトで名を知られる筧裕介氏。SDGsの「17のゴール」の視点から、人口減少、高齢化、産業衰退などの課題を豊富なデータを交えて解説しています。ここで紹介する本の中で、最も17のゴールと対応する具体的な地域の課題を数多く示しているのはこの本でしょう。
本の構成自体もデザイン思考を取り入れたわかりやすい図やグラフィックが多いので、「デザイン的にSDGsを理解したい」「The入門書といったダサい感じのではなく、スマートな本からSDGsに入りたい」といった人にもおすすめです。
食・農・環境とSDGs|古沢広祐
この記事ではSDGs×まちづくり・地方創生に関する本を多く紹介しましたが、この本はその中でも特に「食」「農」「環境」とSDGsの関りについて解説しています。筆者の古沢氏は國學院大學の教授で専門は環境社会経済学や農業経済学と、アカデミックな研究者が書いている点で学術的な信頼性も高い1冊です。
中身は「気候変動とグローバルリスク」「技術革新の食農環境への影響」「有機農業の展開」「支所ん主義と持続可能な社会」などマクロな問いと、ミクロな具体的事例や研究事例を結び付けてSDGsの課題と可能性を論じています。これらの分野に興味関心がある人は必読です。
あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣|原 貫太
本書はアフリカで人道支援に取り組んできた筆者が、SDGsの観点から独自の切り口で世界の諸問題に迫る本。
SDGsの目標の中には日本に住んでいると現実味を感じにくい・課題意識を抱きにくいものもありますが、この本を読めば「どこか遠くの世界の出来事」で終わっていた話が、「私の生活の延長線上にある出来事」に変わります。
さらに世界の貧困の正しい見方を学び、「アフリカよりマシ」で片付けられない日本の貧困についても理解を深めることができるので幅広い方々におすすめできる1冊です。
SDGs思考 2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界|田瀬和夫, SDGパートナーズ
この本は経営にSDGsを組み込もうと考えている、すべてのビジネスパーソンに役立つ考え方やヒントを盛り込んだ戦略書です。
気候変動やパンデミックなど、地球の課題に対する認識が改めて問われている今、本書ではおもに3つの側面から、ビジネスにSDGsを実装するためのヒントを提示しています。
3つの側面とは「SDGsに通底する世界観の理解」「ビジネス実装に役立つ思考法」「主要テーマの潮流をつかむ」の3つ。実践的なアクションをどう起こせばよいか悩んでいるビジネスパーソンにおすすめです。
SDGsが生み出す未来のビジネス (できるビジネス)|水野雅弘, 原裕
この本はSDGsに取り組みたい、でも何からやればいいの?そう感じている人のために、身近なところにあるSDGs×ビジネスの事例を多く集め事例をもとに専門用語を使わずにやさしく解説しています。
ビジネスパーソンが取り組みやすいように、マーケティングの4PとSDGsの5P(People、Planet、Peace、Prosperity、Partnership)を掛け合わせた独自フレームワークを用いているのも特徴のひとつ。
SDGsをどう事業に取り入れればよいか、具体的なアイデアが湧きやすい構成になっています。
本書はAmazonの聴く読書「Audible」で無料で読むことができます。
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コーヒーで読み解くSDGs 単行本|Jose川島良彰, 池本幸生, 山下加夏
SDGsは、環境、経済、社会に関わる17の目標を掲げていますが、それらの目標は、コーヒー業界がSDGs以前から取り組んできた課題の縮図でもあると断言する本書。
大学教授、国際NGOの元職員、コーヒーハンターという3人の著者がコーヒーを通してSDGsを紐解き、解説していくことで、誰もがコーヒーを通じてSDGsに貢献できることに気付きます。
コーヒーの価値観を変え、SDGsを理解できるこれまでにない一冊です。
まとめ-SDGsおすすめ本情報は随時更新します-
今回紹介した本は世に出回っているSDGs関連本の中でもほんの一部です。2022年以降、さらにSDGs関連本はたくさん出版されていくと思いますので、おすすめの本があったら随時記事に追加していきます。
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