出口戦略とは?意味や用法・コロナ関連の具体例をわかりやすく解説

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新型コロナウイルスの収束に向けて大阪府吉村知事や西村経済再生相、小池都知事らが使っている「出口戦略」という言葉ですが、今回はじめて聞いた方は多いのではないでしょうか?

出口戦略とはわかりやすくいうと「損失が大きいときに、いかに損失を少なく抑えながら撤退するか」を指す言葉です。もともとは軍事用語として使われ始めましたが、近年では経営や経済・投資でも用いられるようになり今回、コロナ対策でも使われるようになった幅広い意味を持つ言葉です。

前半に出口戦略の意味とその由来、各分野ごとに出口戦略が何を指しているのかを紹介し、後半で新型コロナウイルスにおける出口戦略とは何を指すのか・議論の争点を分かりやすく解説していきます。

出口戦略とは?

出口戦略(Exit strategy)とは「損失やダメージが大きいときに、いかに損失や被害を少なく抑えながら撤退していくか」を意味する言葉です。出口の先にはまた新しい入り口があることを想定したうえで、撤退後いかにスムーズに次のステップへ進んでいく課までを指して用いられることもあります。

出口戦略の由来

出口戦略という言葉は、もともとベトナム戦争時にアメリカの国防総省が使い始めたといわれています。

「戦いに負けているときや戦いによる損害がとても大きいとき、いかに人の命や損失を少なくしながら撤退していくか」を考え実施することを指して出口戦略という言葉は使われ始めました。

以下で解説する分野ごとに異なる出口戦略の用法も、基本はこのニュアンスで使われています。

経営用語としての出口戦略の意味

経営用語として出口戦略が用いられる際は「経営などから撤退するときに、損失を最小限に抑えるための戦略」を指します。近年は収益を確定するような意味でつかわれることもあります。

経済用語としての出口戦略の意味

経済用語として出口戦略が用いられる際は、主にマクロ経済政策の文脈で使われます。「量的緩和策やゼロ金利政策、マイナス金利政策など、大規模な金融緩和策を解除して正常にしていく際に、経済や市場に大きな影響を与えないようになめらかに正常化していくための戦略」を指します。

投資用語としての出口戦略の意味

投資用語としての出口戦略は「投資にあてる資金をいかに損失せずに増やして撤退していくか」を指します。投資する際は購入したとき以上に売却時=出口をイメージしておくことが大切です。最終的に出口で損失を出さないためにも、常に出口戦略を考慮して投資する必要があります。

新型コロナウイルスにおける出口戦略の意味と用法

新型コロナウイルスにおける出口戦略とは「休業要請の解除や具体的な再生の方法を検討すること」を指しています。5月8日時点で独自の出口戦略を表明しているのは、大阪府と茨城県で検討中の都道府県は約20あります。この中で最も注目を集めているのは大阪府です。

大阪府の出口戦略

吉村知事は、感染経路が経路のわからない新たな感染者の人数が10人未満であること、PCR検査における陽性率が7%未満であること、重症者の病床の使用率が60%未満であることの3条件を原則7日連続で下回れば、外出自粛や休業要請を段階的に解除すると発表しました。またこれを踏まえて5月15日に段階的な解除を判断する方針を示しています。この一連の発表内容が大阪府の出口戦略です。

出口戦略という言葉の印象について-小池知事のコメント-

出口戦略を検討中の東京都の小池知事は、5月7日の記者会見で「出口戦略と聞くだけで気が緩む方もいる一方、経済は厳しい状況で今月31日まで持たないのではないかと心配する方もいる。それらのことを全体的に勘案しながら進めていく」と述べました。

「出口戦略」という言葉は多くの方にとって危機馴染みのない言葉です。詳細な内容とセットで語っていかなければ「出口」という言葉のイメージだけで「もうすぐコロナ収束して経済活動や移動が再開できるぞ!」と思ってしまう可能性もあります。一方で長すぎる自粛と経済停滞はのちのち大きな傷跡を残す可能性もあります。

兵庫県の井戸知事は7日の記者会で、休業要請や外出自粛の解除について「検討はまだ早い。緊急事態宣言が延長された日に『出口戦略』の議論を始めるのはいかがか。連休明けの1週間が非常に重要な時期になる。県民に対する要請力が落ちていく可能性があり、あえて触れていない。」と述べました。都道府県ごとに状況は異なるためなんとも言えませんが、過度に出口戦略に期待し強調することは避けなければいけない一方、傷跡を最小限に抑えるために出口戦略を検討し方向性を示していくことは重要にも思われます。

まとめ-出口戦略は絶妙なバランス感覚が求められる-

全ての分野で共通して「出口戦略」という言葉には「いかに損失を少なく抑えながら、前進していくか」という意味があります。現在の損失と未来の損失を天秤にかけて損失を最小限に抑えるためには何をすべきなのか、私たち国民は日々流れる情報に耳を傾け、正確に出口戦略の意味を受け取ることが求められています。

KAYAKURAでは「出口戦略」以外にも新型コロナウイルスに関連する難しい用語をわかりやすく解説分析する記事を多数掲載しています。興味関心のある方はこちらの記事もぜひご覧ください。

参考資料

この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.