テレワーク・リモートワーク・在宅ワークの違いと意味をわかりやすく解説!

3つの単語を使い分けるポイントは「目的」と「場所」

コロナウイルスの拡散防止で推進される出勤しない働き方。政府が「不要不急の外出を避けるべき」との見解を正式に発表したことを受けて日清食品が3,000人、電通が5,000人、その他にもGMOインターネットやパソナなど名だたる大企業が出勤しない働き方に切り替えています。

出勤しない働き方を表現するときによく用いられる言葉が「テレワーク」「リモートワーク」「在宅ワーク」の3つです。本日は意味や使い分け方が難しいこの3つの言葉の意味を分かりやすく解説していきます。区別するうえでのポイントは「目的」と「場所」です。

テレワークの推進で広まる「ビデオ通話」についての間違った常識を覆す記事はこちら →ビデオ通話より音声通話・文章のほうが正確に情報は伝わる-コロナで外出自粛中のテレワークの極意-

テレワークとは?意味は「(職場から)離れた場所で働くこと」

テレワークとはネット環境や通信機器を活用して場所や時間の制約を受けることなく働くワークスタイルを指します。離れた場所という意味を持つ「tele」と働くという意味を持つ「work」を合わせた造語です。

諸説ありますが1970年代石油危機と環境汚染が進んだ時代に消費エネルギーを減らすことと大気汚染を緩和することを目的にアメリカではじめられたといわれています。日本では1980年代前半にNECが初めて導入したとされ、その後1990年代に情報通信環境が整備されたことと女性の社会進出が叫ばれたことでひろまりました。

テレワークのポイントを分かりやすくまとめると以下のようになります。

テレワーク

「(職場から)離れた場所で働く」ことを意味する造語

・目的は「出社によるさまざまな負担を減らすこと」

テレワークについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

リモートワークとは?意味は「遠隔・遠方で働くこと」

リモートワークは「遠隔・遠い」という意味のremoteと「働く」という意味のworkを合わせてできた造語です(テレワークもリモートワークも造語!)。

リモートワークは特にIT分野やWebデザインなどスキルを持った人たちがプロジェクト単位でギルドのようなチームを作り仕事を進める際に使われます。メンバー同士が離れた場所にいてもオンラインチャットやSNSで連絡を取り合い近況をシェアすることでプロジェクトを進められるような形式です。

テレワークが「オフィスから離れること」を強調したのに対し、リモートワークはオフィスから離れることは強調せず「遠くで働くこと」を強調します。この違いはテレワークが「会社と個人」という構図を説明しているのに対し、リモートワークは「個人と個人」という構図も含意している点です。

リモートワークは点として存在する遠くにいる個人が複数人つながることも意味する点で、WebデザインやIT分野などのプロジェクト単位で動く業界で使われていると説明できます。

リモートワークのポイントを分かりやすくまとめると以下のようになります。

リモートワーク

「遠方で働く」ことを意味する造語

・目的は「遠く離れた者同士がつながり仕事を進めること」

在宅ワークとは?意味は「自宅を拠点として仕事をすること」

在宅ワークは「自宅を拠点に仕事をすること」です。かつては在宅ワークは「内職」と呼ばれることが多く、袋詰めやシール貼り、縫物などの「スキルが必要ない単純労働」を指すことが一般的でした。しかしインターネットが普及しPC一台あればスキルを習得し専門的な仕事もできるようなったことにより、専門性がいらない単純労働以外の在宅ワークも増えました。

テレワーク・リモートワークとの違いは、発注元や企業から離れること・遠い場所で仕事をすることではなく「自宅で仕事をすること」を強調する点です。子どもが小さくて家から離れられない、心身の不調で家を離れられない、主婦だけど自分でも少しずつ稼ぎをつくりたい、などのような「自宅を離れられないなかで仕事をする」場合に在宅ワークという言葉がよく用いられてきました。

在宅ワークのポイントを分かりやすくまとめると以下のようになります。

在宅ワーク

・「自宅で働く」ことを意味する言葉

・目的は「自宅を離れることなく仕事すること」

コロナウイルスの拡散防止のために政府は「不要不急の外出を避けるべき」と発信しています。体調に限らず「自宅からの」不要不急の外出を避けるべきと伝えているので、実はテレワーク・リモートワークよりも在宅ワークという言葉が最も適切といえなくもありません。

「テレワーク」「リモートワーク」「在宅ワーク」の違いは場所と目的!

最後に改めて「テレワーク」「リモートワーク」「在宅ワーク」の違いを整理します。

テレワーク

・「(職場から)離れた場所で働く」ことを意味する造語

・目的は「出社によるさまざまな負担を減らすこと」

リモートワーク

・「遠方で働く」ことを意味する造語

・目的は「遠く離れた者同士がつながり仕事を進めること」

在宅ワーク

・「自宅で働く」ことを意味する言葉

・目的は「自宅を離れることなく仕事すること」

これらの言葉の境界は年々曖昧になっているように感じますがふわっとした認識だと互いに方法や目的に齟齬が生じる可能性があります。3つの言葉の違いを押さえて個々人にとってより適した多様な働き方が実現できる社会をつくっていきましょう。「新しい時代の働き方」に興味関心がある方はぜひこちらの記事をご覧ください。

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最後に、効率よく学ぶために本を電子版で読むこともオススメします。

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この記事を書いた人

Masato ito

国際大学GLOCOM研究員/講師。1996年、長野県出身。博士(社会学)。一橋大学大学院社会学研究科、日本学術振興会特別研究員を経て2024年より現職。専門は地域社会学・地域政策学。研究分野は、地方移住・移住定住政策研究、地方農山村のまちづくり研究、観光交流や関係人口など人の移動と地域に関する研究。多数の地域連携/地域活性化事業の立ち上げに携わり、2事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。日本テレビDaydayやAbema Prime News、毎日新聞をはじめ、メディアにも多数出演・掲載。