【2020年最新版】観光インバウンドおすすめ本10選-東京オリンピック・ビジネス・おもてなし再考のために-

2020年ついに観光インバウンドに興味関心のある人&業界関係者大注目のビッグイベント東京オリンピック2020が開催となります。それに伴いおもてなし、ボランティア、観光客の地方への還流など押さえておきたいポイントは多くあります。

また2020年は、2016年に安倍晋三内閣総理大臣を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議 」が掲げた「2020年に訪日観光客4000万人&8兆円消費」の最終年でもあります。果たしてこの目標値は達成できるのでしょうか。

年の初めはそんな2020年観光インバウンドを考えるうえで絶好の機会。本記事では2019年までに出版された観光インバウンド本の中でいまこそ読みたい10冊を選びました。名著~最新本までたくさんの本を読んでインプットし、1年かけてアウトプットしながら成果を出していきましょう!

『地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書』岩崎邦彦

2019年11月に発売された新刊 岩崎邦彦著『地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書』は、地域×観光という既存の公式に「ブランド」を掛け算することの大切さを説明した本。

2003年の観光立国宣言以降、日本政府をはじめ都道府県や自治体の観光関係者は観光客の「量」を増やすことばかりに着目してきました。その結果、オーバーツーリズムや観光公害といった問題が表出し始めています。これからの時代は地域ごとに観光ブランドを確立しリピーターを増やしたり1度あたりの満足度を高める「質」の観光への転換が必要だと説いてるのが本書。

2020年以降新しい「地域×観光」の教科書になること間違いなしの1冊です。本の詳細を知りたい方はこちらからどうぞ。

『地域が稼ぐ観光 ボクらはコトづくりでチイキのミライをつくる』大羽昭仁

観光で来た人に地域の良さが伝わればいいなだけでは、観光客を受け入れる地域が疲弊してしまう。たくさん稼がなくてもいいけど、持続的にまわっていく程度のお金は地域の観光で稼いだほうがいいじゃないか。」本書の主張はここにあります。

著者は大手広告代理店に勤めながら、実践者となって地域が稼ぐ観光をいくつも行ってきた人物。広告代理店が得意とする企画×視点の置き方にプラスして実際に行動した人にしか分からない「地域の理不尽なモヤモヤ・壁」を乗り越える方法を分かりやすい言葉で解説しているのがこの本の魅力。

地域×観光でどう稼げばいいのか分からない人、観光で稼ぐということがそもそも分からない人にぜひ読んで欲しい一冊です。本の詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

『新・観光立国論』デービッド・アトキンソン

日本の観光インバウンド関連本の中で最もヒットした1冊。筆者は日本人が見落としている、もしくは目を背けてきた観光産業の実態を数字と明確なエビデンスをもとにわかりやすく論じてみせました。大前提として私たちが押さえなければいけないのは「日本の観光産業はインフラの整備や意識改革、マーケティングが他の観光先進国と比べて遅れている」という事実です

2015年に本書が発刊されたときと比べると日本の観光産業は飛躍的に成長しました。しかし今でも本書が指摘した軸となる部分は抜本的に改革されておらず、上滑りの観光立国化を遂げているのが実態です。今こそ本書をもう一度読み直す必要があるように感じます。

『インバウンド・ビジネス戦略』早稲田インバウンド・ビジネス戦略研究会

400P越えの本書は従来のツーリズム分野のプレイヤーに加えて、新規参入者が増えているインバウンド・ビジネスにおいて押さえておくべきポイントが網羅できる良書です。新規参入を含めた多様なプレイヤーが大きな方向性を議論する具体的なフレームワーク、戦略を構築し具体的に実践する指針を提示するのが本書の狙い。

「ツーリズム×イノベーション」「インバウンドツーリズム×マーケティング」「ツーリズムエコシステム×ICTプラットフォーム」「アートツーリズム×まちづくり」「ツーリズム×統合リゾートビジネス」など、いま押さえておくべき注目の表題がズラリ。内容の量と質の高さに比べて価格が安いのもグッドポイントです。

『月刊事業構想2020年1月号 大特集インバウンド6000万人 新時代の観光ビジネス』事業構想大学院大学出版部

新しい時代の企業活性、地方創生、イノベーションを考え創発する月刊誌「事業構想」の2020年最初のテーマが「新時代の観光ビジネス」です。事業構想にしか集められない豪華な有識者陣と企業・自治体の多彩な事例が魅力的な一冊。

HIS会長が語る観光産業の変化の先にある未来について、無印良品が人をつなげてローカルを強くする目的で展開するMUJI HOTELについて、住民の力で世界的リゾートを目指すニセコの事例など官民問わず注目度の高い取り組みがわかりやすくまとめられています。

『観光学ガイドブック 新しい知的領野への旅立ち』大橋昭一、橋本和也 他

学問としての観光が学べる「観光学部/学科」を掲げた大学が、近年増えています。産業ビジネスとしての観光は重要ですが、一方で「そもそも観光とは何なのか」「各学問領域ごとに観光はどのように扱われてきたのか」「観光は社会にどのような影響を与えるのか」を改めて考えることも大切です。

本書は日本の観光学を作り上げてきた4人の先生方が執筆した新しい時代の観光学の教科書。観光学に触れたことが無い人にとっては初めはとっつきにくいかもしれないですが、学部1,2年生が観光学の基礎を学ぶために書かれたレベルの本なのでこれさえ読めば大まかに学問としての観光を知ることができます。今すぐ読まなくても、いざというときのために手元に置いておきたい本です。

『観光社会学2.0 拡がりゆくツーリズム研究』須藤廣、遠藤英樹

観光学ガイドブックで触れた学問としての観光は細分化の傾向にあります。その中で社会科学である社会学の視点から観光を分析する学問が観光社会学です。日本では1995年に社会学者J,アーリ『観光のまなざし』が翻訳出版されて以降、観光文化×社会理論という図式が広まっていきました。

本書は、世界がフラット化した現代において「グローバル化」と「移動」が観光にどのような影響を与えているのかを多角的に複数の執筆者が論じています。右肩上がりで関わる多くの人が盲目的に「よいもの」として観光を捉えている今だからこそ、読む意味がある一冊です。

『世界一訪れたい日本のつくりかた』デービッド・アトキンソン

「新・観光立国論」で全国的な注目を集めた著者が、前作では触れられなかった具体的かつ最新の行動案を提言しているのが本書。例えば筆者は、消費額が多く滞在日数も長く日本の真の魅力を楽しもうとするヨーロッパへのPRに力を入れるべきだといいます。同時に「おもてなし」を代表とする文化やあたたかさの観光を日本は押し出してきましたが、より世界的にファンが多い自然を生かした観光にもっと注力すべきだとも述べています。

「新・観光立国論」をまだ読んだことが無い人は、ぜひ2冊同時に購入し一気に読むことをおすすめします。

『「おもてなし」という幻想 10年先の日本をつくるインバウンド立国論』眞野ナオミ

本書の一番の主張は「日本人が自分たちの主観でイメージする訪日観光客が喜びそうなものを提供していてはダメ。もっと日本はマーケティングに力を入れターゲットのニーズを組み込んだ本当に訪日観光客が喜ぶものを提供するべき」というもの。

訪日観光客は日本人が好きだろうとイメージするツアーパッケージや大型テーマパークよりも、オーセンティックな景観であったり普通の日常的な体験を求めていたりします。本当のニーズを知るためにも日本がさらなる飛躍を遂げるためにも、力を入れるべきはインバウンドマーケティングであると読んだ後に思わされる1冊です。

『インバウンド実務主任者認定試験 公式テキスト』安田 亘宏、 全日本情報学習振興協会

全日本情報学習振興協会が数年前から年に4回実施している「インバウンド実務主任者認定試験」の公式テキスト。「試験勉強用の本はちょっと…」と思ったあなた、あなどることなかれ、この本はインバウンドを勉強している人も実践している人も0からインバウンドのことが学べるように分かりやすくまとめてあります。

ビジネス面、ニューツーリズムの種類、国ごとの傾向と理解、実践的な対応方法、集客、そしてまちづくりと実務者であれば押さえておきたい内容が400p以上にわたって掲載されています。スキルが目に見えにくい業界だからこそ、2020年に資格取得にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

2020年は今まで以上に多くの観光インバウンド本が出ること間違いなし!

2020年は今まで以上に多くの観光インバウンド関連本が出ることは間違いありません。本サイトでは専門書から新書、入門書まで本サイトでは発刊からできる限り早い段階で書評を掲載していこうと考えています。2020年も新しい地域と観光を考えるWebサイトKAYAKURAをよろしくお願いいたします!

KAYAKURA

KAYAKURAは「新しい地域と観光を考える」をコンセプトに、地域と地域にまつわる言葉や動向を深く考える地域考察メディアです。

この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.