わかりやすい観光インバウンド用語解説まとめ1-インバウンド・アウトバウンド・ツーリズムなど概論-

2003年に当時政権を握っていた小泉政権が「観光立国」宣言をして、早16年。2016年には訪日外国人旅行者数が過去最高の2400万人を記録した。本記事では、インバウンド実務主任者認定試験受験者をはじめ、観光インバウンドに携わる人、興味関心がある人が知っていたい用語を複数回に分けて解説していきます。第1回目の今回は、概論その1。観光インバウンドの学び初めに知っておきたい用語を解説します。

参考文献:インバウンド実務主任者認定試験 公式テキスト

インバウンド実務主任者認定試験受験者必見 観光インバウンド用語解説 その1-概論-

ツーリズム(Tourism)

大正時代に、tourismという単語の日本語訳として発案されたのが「観光」です。観光とツーリズムはほぼ同じ意味で使われていますが、近年、観光という言葉が「商業的」「娯楽的」「物見遊山的」な否定的ニュアンスを帯びてきている事情を踏まえて、ツーリズムという用語が使われる機会が増えています。

社員旅行・インセンティブ旅行・招待旅行

社員旅行は、企業の従業員を対象とした旅行。インセンティブ旅行は、企業が優秀な社員や成績がいい販売店に対して報奨として提供する旅行。招待旅行は、顧客や日ごろからお世話になっている親密な取引先に対して、感謝と今後への期待を踏まえて無料で参加してもらう旅行形態です。同じ法人の旅行でも、様々な形態があります。

国際観光収入・国際観光支出

訪日外国人観光客が日本に来て使うお金が「国際観光収入」で、日本人旅行者が海外に渡航した際に使うお金が「国際観光支出」です。日本側の視点で用語が決まっているため、収入=輸出(何かを海外に売って儲ける)、支出を輸入(何かを海外から買う)構図とみることができます。

国際観光年

国際連合は観光を通して国と国、人と人との交流を増やし多文化共生や国際交流を促進することで世界平和を達成するために1967年をい「国際観光年」と定めました。当時のスローガンは「観光は平和へのパスポート」。排除とポピュリズムが台頭する21世紀でも通用する考え方です。

インバウンド・アウトバウンド

海外に在住している外国人が日本を訪れ日本国内を旅行することを「インバウンド」、日本に在住している日本人が海外を訪れることを「アウトバウンド」といいます。インバウンドという言葉は近年よく耳にしますが、旅行者自身を示す場合は「インバウンド旅行者」などといい、インバウンドのみでは観光客それ自体を示さないことに注意が必要です。

宿泊旅行・日帰り旅行

1泊2日以上の宿泊する旅行を宿泊旅行といいます。対して、普段暮らしている地域とは別の場所を訪れ24時間経たないうちに帰ってくる旅行を日帰り旅行といいます。観光庁の統計調査によると、片道移動距離が80km以上、移動時間と滞在時間の合計が8時間以上の旅行を日帰り旅行の目安にしています。

観光旅行・帰省旅行・業務旅行

観光旅行は、余暇時間に日常生活を離れて自らの意思で楽しむことです。帰省旅行は、年末年始やお盆の時期に実家や故郷を訪れる旅行。業務旅行は、出張といわれるような仕事のための旅行を指します。観光旅行や帰省旅行が個々人の金銭的負担を強いる一方、業務旅行は団体や法人が費用を負担してくれるケースが多いです。

個人旅行・団体旅行

個人が自らの意思で行く旅行が個人良好で、多人数で同じ行程を一緒に周る旅行を団体旅行といいます。JR社の団体割引乗車券が8名以上を団体を定めているため、8名~10名以下を少人数と考えられます。しかし、東京ディズニーリゾートの場合は25名以上が団体割引料金なので、企業や地域によって団体の定義は変わります。

日本の旅行消費額

日本旅行業協会の2016年データによると、国内の旅行消費額は国内宿泊旅行が16兆円、国内日帰り旅行が4.9兆円です。一方、海外旅行の国内消費分は1.1兆円、訪日外国人旅行が3.7兆円でした。旅行推移額は、2011年の震災以降、鈍化傾向にある一方、インバウンド消費額は着実に増加しています。

観光立国宣言

2003年1月に、当時の小泉首相が「2010年に訪日外国人観光客を1000万人にする!」とした宣言。それまで観光は国家的課題とはみなされず、産業としてもそこまで注目されていませんでしたが、この宣言をキッカケに観光推進に官民共に進み始めました。 国土交通大臣を観光立国担当大臣に任じたのもこのときです。

ビジット・ジャパン・キャンペーン

ビジット・ジャパン・キャンペーンは、官民共同で行う訪日外国人旅行者を対象とした様々な観光促進活動を指します。2003年の宣言と同時に「YOKOSO!JAPAN」をスローガンにスタート。経済が冷え込み人口も減少している日本での消費を喚起し、新たな産業として日本の産業に寄与していくことが目的です。今後は、首都圏よりも地方で伸びていくと言われています。

観光基本法

1962年に制定された法律。観光による国際親善の増進と国際収支の改善をはかり、国民経済の発展と国民生活の安定向上に寄与する観光振興、観光資源の保護育成と開発を目標に観光政策の方向性を示した法律です。2006年に全面改正され、以下の観光立国推進基本法にその内容と理念はは受け継がれました。

観光立国推進基本法

2007年1月に施行された法律。観光が日本の経済成長のために重要であり、成長戦略のかなめになることを明確に示した法律。魅力的な地域づくりの重要性、国民の観光旅行促進の重要性、国際的視点にたった観光の重要性、観光における関係者同士の連携の必要性を示しました。前進の観光基本法制定時はそこまで重要視されていなかった、経済面以外の重要性も強調しているのが特徴です。

観光インバウンド用語は常にアップデートされているので日ごろの情報発信が重要

観光インバウンド用語は、近年、急激に増加&変化しています。日ごろからニュースをチェックし新たな情報を身につけていきましょう。その際に意識したいのが、幅広い分野のニュースをチェックすること。観光インバウンドは様々な産業と関連するため、政治、経済、国際、地域など複数のニュースカテゴリーをチェックしないと情報をゲットできない分野です。幅広い分野の観光インバウンド知識を身につけ、観光のプロに近づいていきましょう。

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.