【5分でわかる】ライフスタイル移住とは?動向と特徴を解説

移住大辞典

ライフスタイル移住とは、2000年代後半にO'Reilly とBensonという社会学者が提唱した現代における特定の移住形態と研究方法を示す概念です。

O'ReillyとBensonはライフスタイル移住を「比較的裕福な全ての年代の人々による,より質の高い生活を求めて行う一時的な移動や定住を含めた空間的な移動」と定義しています。

ライフスタイル移住とは

欧米の先進諸国で議論されているライフスタイル移住とは、移住者の認識やライフヒストリーとの関連に着目した概念です。O'ReillyとBensonによれば、ライフスタイル移住とは「比較的裕福な全ての年代の人々による,より質の高い生活を求めて行う一時的な移動や定住を含めた空間的な移動」を指します。

この他の日本語による定義としては、「経済的理由や仕事や政治的理由など伝統的に主流であった移住理由以外の、より広範な意味での生活の質を求めての移住」という定義も存在します。

日本で初めてライフスタイル移住の概念を体系的に紹介したのは、2015年の長友です。それ以降、ライフスタイル移住に関しては、移住者の意識やライフヒストリーとの関連についての研究は進んでいますが、日本における事例研究の蓄積や、移住者と受け入れ地域の関係の解明など課題もあるのが現状です。

ライフスタイル移住の特徴

ライフスタイル移住の特徴を鈴木による整理をもとにみていきましょう。ライフスタイル移住は、社会学的には後期近代に特有の現象であると指摘されています。現代社会では、グローバリゼーションや個人化、情報化、モビリティの増大などの変化が起こっています。

そこでは実存的な不安やリスク、将来の不透明性や不確実さが高まっています。そして人々は、戦略的な生活設計や、習慣、方向性の束としてのライフスタイルの選択を重要視するようになるのです。これは、従来のような経済的な誘因だけで人々の移動を語ることができなくなっていることを意味します。

ライフスタイル移住は、現代社会の変化により個人や集団がどのように変化、対応するのか、あるいは社会変化の原動力に成り得るのかを考察する研究の一領域として位置づけられており、このような視点から特徴づけることができるのです。

またライフスタイル移住においては、移住の意思決定「なぜ移住しようと思ったのか」という点だけでなく、移住前と移住後という移住プロセス全体にフォーカスをあてるのも特徴でしょう。そしてそれら中長期的な移住のプロセスは、当事者のアイデンティティの変容と再定義と強く結びつくのです。

つまり、ライフスタイル移住とは、移住の形態を表すのではなく、特に研究においては人々の移住行動の意味を解釈するための視点・方法論であると還元できると鈴木は指摘しています。

日本ではライフスタイル移住研究の蓄積はまだ少ないですが、現代における地方移住動向を分析するのに有用な概念です。本記事を書く際に参考にした資料を下記に列挙するので、興味関心なる方はぜひ読んでみてください。

参考資料
・石川菜央, 2018, 「ライフスタイル移住の観点から見た日本の田園回帰」『広島大学総合博物館研究報告』10: 1-11.
・鈴木修斗, 「ライフスタイル移住とは何か-欧米圏の研究動向と日本の地理学における方法論的展望-」.
・谷垣雅之, 2017, 「消滅可能性市町村へのライフスタイル移住行動に関する研究」.
・長友淳, 2015, 「ライフスタイル移住の概念と先行研究の動向 : 移住研究における理論的動向および日本人移民研究の文脈を通して」『Journal of international studies = 国際学研究』4(1), 23-32.

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この記事を書いた人

Masato ito

1996年長野県生まれ。大学在学中に自身が代表を務める事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。現在は一橋大学社会学研究科にて国内移住に関する研究を行いながら、KAYAKURA代表として長野県を主なフィールドに観光インバウンド・移住・まちづくりのコーディネート・プランニング・調査・PRを多数手がける。2019年からは都内の企業と地方の企業や自治体をつなぐ新たな取り組みも開始。訪日観光客向け観光情報発信サイトNAGANO TRIP運営。池田町第六次総合計画審議委員。週刊SPAや公益社団法人 日本観光振興協会発行『観光とまちづくり』など寄稿多数。2019年4月から東京都国立市と長野県池田町の2拠点居住実践中.