本来、ワーキングホリデーとは「18~30歳の青年を対象に、2ヶ国・地域間への休暇目的の入国および滞在期間中における旅行・就労を認める制度」です。
海外への移住の足掛かりとしてワーキングホリデーを活用する人はこれまでも多くいました。しかし昨今では、この仕組みを国内にも応用し、地方でワーク&ホリデーを行いながら移住への足掛かりとしてもらう「ふるさとワーキングホリデー」という制度があります。
ふるさとワーキングホリデーとは
ふるさとワーキングホリデーは総務省が実施する取り組みです。ふるさとワーキングホリデーとは「都市に暮らす若い人たちが、一定の期間、地域に滞在し、働いて収入を得ながら、地域の人たちとの交流の場や学びの場などを通して、通常の旅行では味わえない、地域を丸ごと体感してもらい、地域とのかかわりを深めてもらおうというもの」を指します。
ふるさとワーキングホリデー参加までの流れ
ふるさとワーキングホリデーに参加する場合は、説明会に参加する方法と自治体に直接問い合わせる方法があります。
どちらの方法でもまずはポータルサイトをチェックし、仕事・交流イベントの情報検索から各自治体の応募情報をチェックします。
続いて自治体に直接問い合わせる場合は、自治体と受け入れ企業に詳細を確認して仕事を決め参加します。説明会に参加する場合は、説明会で情報を集めたのち、体験したい仕事や交流イベントを選択決定し参加します。
ふるさとワーキングホリデーの給料・申込期間などについて
申し込み後に受け入れ企業と調整するので、申し込み~面談~確定までおよそ1週間程度かかります。
勤務先によって支給方法は異なります。手渡しの場合もあれば振り込みの場合もあるので、参加希望の自治体に問い合わせてみましょう。
こちらも勤務先によって形態が異なります。社員寮やスタッフ用客室が使える場合もあれば自身で手配の場合もあるとのこと。食事も同様です。こちらもまずは受け入れ自治体に相談してみましょう!
2週間~1か月程度です。
ふるさとワーキングホリデーの特徴
以上のようにふるさとワーキングホリデーは、地方の自治体で仕事をしながら現地での生活が体験できる制度です。近年、観光客以上住民未満の存在として「関係人口」が注目されていますが、ふるさとワーキングホリデーは関係人口創出活動の一環だといえます。
通常、関係人口になるきっかけとしては現地でのゲストハウス滞在や仕事でのつながり、イベントやアクティビティへの参加などがありますが、それらに縁がない&機会が無い人も多いはず。また短期間ではなく中長期的に地方に滞在してみたいという人もいるでしょう。
また地域活性化に貢献するための制度として地域おこし協力隊制度がありますが、こちらは3年間の居住や地域貢献に直結した形での仕事が求められるケースが多いのが特徴です。しかし例えば「○○町のものづくりの工場で働いてみたい」「農家で働いてみたい」こういったニーズは地域おこし協力隊では補えません。そんなときにふるさとワーキングホリデーは使えるでしょう。
働きながらイベントなどにも参加しながら現地での生活を体験できるのがふるさとワーキングホリデー制度です。まだ知名度が低く実態がみえにくいという課題をかかえてはいますが、新型コロナウイルスが落ち着いてきたのちには、地方移住への新たなステップとして注目されるようになるかもしれません。
参考
・総務省, ふるさとワーキングホリデー特設サイト