コミュニティ・スクールをもっと知るためのおすすめ本8選:先進事例や課題、法制度、理論など

コミュニティ・スクール おすすめ 本

2015年12月に文部科学大臣に提出された中央教育審議会の答申は、すべての公立学校がコミュニティ・スクールを目指すよう促し、いわばコミュニティ・スクール導入の努力義務を提言しました。

それから約8年が経とうとしていますが依然としてその仕組みへの理解は進んでおらず、教育関係者でも「コミュニティ・スクールとはなんですか?」と聞かれて、わかりやすく答えられる人は少ないかもしれません。

一方で導入から一定程度の時間が立つ中で、様々な成功事例とされるものも生まれてきました。同時にコミュニティ・スクールをめぐる課題も明らかになってきました。

本記事では「コミュニティ・スクールとは何か?」「コミュニティ・スクールの成功事例は?」「コミュニティ・スクールの課題は?」「コミュニティ・スクールの実施とは?」などの疑問を持つ方におすすめの本を8冊ご紹介します

ぜひコミュニティ・スクールをめぐる実践や研究の足がかりとしてみてください。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本1|奇跡の学校:コミュニティ・スクールの可能性

1冊目のタイトルはその名も『奇跡の学校』学校や地域、保護者が目的やビジョンを共有し、「地域から信頼される学校づくり」に成功した山口県内の小中学校におけるコミュニティ・スクールの事例を豊富な事例・写真とともに紹介している1冊です。

大学教員だけでなく、現役の校長先生や教育長、県教育庁の審議官など幅広い立場の人々が各々の視点から事例について語っているのが特徴です。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本2|図説 コミュニティ・スクール入門

コミュニティ・スクールの理解を難しくしている要因の一つに、文章での説明がメインで本質が掴みにくいという問題があります。

そんな課題の解消に取り組んだのが『図説 コミュニティ・スクール』です。「なぜ、コミュニティ・スクールは必要なのか」を、「日本をとりまく危機的な状況」をはじめ「チーム学校」「地域学校協働本部」そして「三鷹市の小・中一貫校の事例」などと合わせながら、図などを豊富に用いてわかりやすく解説している1冊です 

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本3|地域学校協働のデザインとマネジメント

3冊目は「地域学校協働」という概念を用いて、コミュニティ・スクールを事例にその可能性を研究・解説した『地域学校協働のデザインとマネジメント:コミュニティ・スクールと地域学校協働本部による学びあい・育ちあい』です。

本書は地域学校協働の実践実装のための理論として、組織学習論やRV・PDCAサイクルなどに言及しています。コミュニティ・スクールの実践に向けて、より学術的かつ理論的に学びたい方におすすめです。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本4|学校も地域もひらく コミュニティ・スクール

『学校も地域もひらく コミュニティ・スクール: 無理せず、楽しく、かろやかに』は、新興住宅地である千葉県習志野市立秋津小学校の校長先生として、1997年から学校を地域の人々に開放し、学校生活のなかで共にに活動することを取り入れコミュニティ・スクールの先駆けとなる事例をつくった筆者の経験をまとめた本です。

条件の違う3校での実践という事例をもとに、学校と地域の間のすれ違いやコンフリクト、それらがどのように生じ、どのように乗り越えたかをまとめた本書は、具体的事例に即してコミュニティ・スクールを深堀りしたい方におすすめの1冊です。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本5|コミュニティ・スクールを持続可能にする地域コーディネーターのキックオフ

コミュニティ・スクールの成功のためには地域コーディネーターの役割が重要です。『コミュニティ・スクールを持続可能にする地域コーディネーターのキックオフ』は、実際に長年地域コーディネーターとして取り組みを進めてきた人物と教育研究者という異色のコラボで書かれました。

地域と学校をつなぐ地域コーディネーターの考え方・進め方をわかりやすく具体的にまとめた必読書です。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本6|コミュニティ・スクールの成果と展望

ここまで特に説明無くコミュニティ・スクールという言葉を使ってきましたが、現代のコミュニティ・スクールは、その捉え方や態様が多様化しています。目的である保護者や地域住民の学校経営への参画、それに対する校長の成果認識や評価への影響は様々です。

『コミュニティ・スクールの成果と展望:スクール・ガバナンスとソーシャル・キャピタルとしての役割』は、全国の学校運営協議会設置規則の詳細な調査から、タイプ別の特徴を析出しそれぞれの有効性を検証することで、コミュニティ・スクールの多様性を明らかにした画期的1冊です。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本7|学校と社会をつなぐ!

『学校と社会をつなぐ!―これからの人づくり・学校づくり・地域づくり』は、学校と地域を本気でつなぐために最前線を走ってきた5人の実践者がトークセッション形式で語った内容をまとめた本です。

学校と社会が本気でつながるために、いま何が必要なのか、学校現場でも参考になる話題が豊富に掲載されている他、注が充実しているのでコミュニティ・スクールに関する様々な用語や考え方の勉強にもなるおすすめの1冊です。

コミュニティ・スクールに関するおすすめ本8|コミュニティ・スクール 増補改訂版

『コミュニティ・スクール 増補改訂版 ─「地域とともにある学校づくり」の実現のために』は、コミュニティ・スクールの誕生から現在までの政策的、社会的経緯を網羅的にまとめた1冊です。

好評の『コミュニティ・スクール』(2016 年8月刊行)の増補改訂版で、法改正を踏まえた現在の状況がわかりやすく解説されて言います。

最後に:コミュニティ・スクールをもっと知るために

コミュニティ・スクール おすすめ 本
コミュニティ・スクール おすすめ 本

本記事ではコミュニティ・スクールを学ぶためにおすすめの本を8冊紹介しました。どれも参考になる本ばかりなので、ぜひ購入し読んでみてください。

なおコミュニティ・スクールや関連する語句、実践についてもっと知りたい!という方は以下の記事もあわせてご覧ください。

コミュニティとは何か?研究者が定義と歴史をわかりやすく解説

地方における観光・教育・若者の可能性 -地域活性化と地方創生に関するトークセッション 

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最後に、効率よく学ぶために本を電子版で読むこともオススメします。

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などの特典もあります。社会や地域の課題を冷静に正しく分析する力は、読書や映画鑑賞などの幅広い経験から鍛えられますので、気になる方はぜひお試しください。

この記事を書いた人

KAYAKURA 編集部

これからの地域・社会・観光を考えるWebサイトKAYAKURA編集部です。編集部記事では、KAYAKURAメンバーの専門性を生かした記事や、わかりやすくまとめる解説系記事を公開しています。