長野県は広い!移住する前に知っておきたいエリア別基礎知識まとめ

移住地として不動の人気を誇る長野県。しかし、一口に「長野」といってもエリアによってその環境はさまざま。正直、どこに移住すれば良いのか分からない!って方もいらっしゃるはず。

  • 雪が降るのはどこ?
  • 気温が低いのはどこ?
  • この辺の人はどこへ買い物に行くの?
  • この地域に住むメリット、デメリットを教えて!
  • 登山、スキー、ウォーターアクティビティがしたいんだけど、オススメは?

この記事ではそんな長野初心者のために、長野県在住者がエリア別の長野県をさまざまな視点からご紹介いたします!

長野県の面積は日本で4番目に広い!

長野県は、北海道・岩手県・福島県についで4番目に面積の広い都道府県です。また標高差も2,000m以上あり、正直住む場所によって全く環境が異なります。わたしは県外出身、長野県内でも3回引越しをしていますが、印象はそれぞれ。まずは自分がどんな環境に身を置きたいのかを考えておくと良いでしょう。

ポイント

「雪かきは嫌!」「適度に都会が良い」など自分の意見をはっきりさせておくとエリアを絞りやすい。

まずは押さえたい!長野県の人気移住先

飯山市(いいやまし)-新幹線駅+スキー場アリで若者世代にも人気

飯山市は長野県の北端、新潟県との境にあります。北陸新幹線の停車駅になったことから駅前も整備され、スキー客で賑わう人気の移住地。近くにはスキーと温泉が楽しめる野沢温泉村もあり、直通バスも出ています。

特別豪雪地帯に指定されている飯山市ですが、標高は低くフライパンのような地形をしているため、夏は意外と暑いです。

市町村名飯山市(いいやまし)
エリア北信エリア
積雪量、天候、気温など特別豪雪地帯、
メリット新幹線が停まる、スキー場へのアクセスが良い
デメリット夏は意外と暑い

長野市(ながのし)-都心から新幹線で90分!

長野県の県庁所在地、長野市。新幹線を使えば東京駅からわずか90分という好立地にあり、長野県でいちばん人口の多い地方都市です。気候はやや日本海寄りになるため、晴天の多い長野県の中では比較的どんよりしているイメージ。

長野市はたくさんの旧市町村が合併してできたため、市内でも全く異なる景色になります。市街地(長野駅〜善光寺)エリア、篠ノ井エリア、松代エリア、戸隠・鬼無里エリア、大岡エリア、豊野エリアなど、長野市のどこに住むのかを検討する必要があります。

市町村名長野市(ながのし)
エリア長野エリア
積雪量、天候、気温など曇りが多い
メリット新幹線が停まる、県庁所在地
デメリット長野市自体が広域

安曇野市(あづみのし)-北アルプスを望む観光地

長野県の中心部より少し北にある安曇野(あづみの)市。北アルプスを眼前に望む景観の良さや、観光地としての知名度から移住地としても人気のエリアです。

ただし一般的なイメージとしての「安曇野」と、池田町や松川村など周辺市町村を含む「安曇野エリア」では若干ニュアンスが異なるので注意しましょう。詳しくは「長野への移住で安曇野を検討している人が知っておきたい18のこと」をご覧ください!

市町村名安曇野市
エリア北アルプスエリア
積雪量、天候、気温など少ない、
メリット観光地が近い、
デメリット観光シーズンは渋滞あり

辰野町(たつのまち)-

辰野町(たつのまち)は長野県の上伊那エリアにあります。ホタルのまちとしても有名なことからも分かるように、豊かで清らかな水と自然が魅力。

市町村名
エリア
積雪量、天候、気温など
メリット
デメリット

飯田市(いいだし)-東海圏へのアクセス抜群!

市町村名
エリア
積雪量、天候、気温など
メリット
デメリット

人気の移住目的別オススメ市町村

ウィンタースポーツがしたい人にオススメしたい市町村

長野県は世界レベルでも上質なスキー場が並んでいます。ウィンタースポーツがしたくて移住してくる方も少なくありません。スキー場からアクセスの良い市町村をご紹介します。

市町村名エリア最寄りスキー場例
野沢温泉村北信エリア野沢温泉スキー場
飯山市北信エリア斑尾高原スキー場
山ノ内町北信エリア志賀高原スキー場
白馬村北アルプスエリア白馬五竜&Hakuba47スキー場

ここで紹介した市町村は、数あるスキー場にアクセスがいい市町村の一部です。移住する際に気を付けたいことは、スキー場がある地域のほうがスキー場へのアクセスが悪いことがあるということ。

スキー場がある地域は雪が多い地域です。雪が多いということは、出かける際、朝の雪かきに時間がかかります。もし、雪かきに1時間かかる市町村に住んだ場合、雪があまり積もらないけどスキー場まで車で40分の市町村に住んでいる人のほうがスキー場へのアクセスがいいという奇妙な逆転が生じます。年に何日程度、雪が降るのか。雪が降るとしたらどの程度降って、どのくらいの頻度で雪かきしないといけないのか、事前に移住担当係などにしっかり聞いておきましょう!

登山がしたい人にオススメしたい市町村

標高2,000m級の山々に囲まれた長野県には、登山客が後を絶えません。登山が好きすぎて移住してきた!って方も多く見受けます。登山好きの場合、ひとつの山だけ登り続けることはあまりないので、比較的周辺エリアへのアクセスが良い市町村に移住を決める方も多いようです。

登山好きに人気の市町村をいくつかピックアップします。

市町村名エリア登山スポット
大町市北アルプスエリア北アルプス
松本市松本エリア北アルプス
下諏訪町諏訪エリア八ヶ岳周辺など

程よく便利な暮らしがしたい人にオススメな市町村

自然豊かな長野県に移住したいけれど、程よく便利な暮らしがしたい方へ。あれがない、これがない!となりづらい各エリアの中心市町村をご紹介いたします。表の上3つは、人口が15万人を超える長野県のBIG3です。イオン、アリオ、映画館などの施設があるほか、郊外型の量販店も一通りそろっているため、買い物もしやすく娯楽もあるのが特徴です。また、松本市には県内最大級の書店丸善があったり、長野市にはアミューズメント施設ラウンド・ワンが県内唯一あったりと、他の市町村にはない唯一の魅力も事前にしっかり押さえたい所です。

市町村名エリア
長野市長野エリア
上田市上田エリア
松本市松本エリア
諏訪市諏訪エリア
飯田市南信州エリア

とにかく田舎に暮らしたい人にオススメな市町村(地区)

アクセスとかどうでも良いけどとにかく「田舎!」な暮らしがしたい方にオススメな場所があります。市町村だとざっくりしすぎているので今回は詳細地区名をご紹介!一応「移住」に適した場所であることを考慮していますが、主観も混じっているのでご検討の際はしっかりご自分の目でお確かめくださいね。

地区名市町村名エリア
旧大岡村長野市長野エリア
旧八坂村大町市

長野だけど極力雪かきはしたくない人にオススメな市町村

「長野県は雪が多い」とひとくくりにしている方もいらっしゃると思いますが、決してそんなことはありません。例えば豪雪地帯の野沢温泉村と松本市では、月間の積雪量が100倍も異なります。もちろん0ではありませんので、雪に触れたくない方にはオススメしません。

逆に積雪量の多い地域は栄村(332cm)、野沢温泉村(305cm)、飯山市(293cm)、白馬村(292cm)、小谷村(293cm)などです。スキー場エリアとも重なりますね。

長野県には住みたいけれど極力雪かきはしたくないなら、以下の市町村などいかがでしょうか?

市町村名エリア月間積雪量(例年)
佐久市佐久エリア49cm
箕輪町上伊那エリア47cm
南箕輪村上伊那エリア47cm
立科町諏訪エリア48cm

長野県で押さえたい10広域について

北信エリア

長野エリア

長野エリアは、県庁所在地である長野市を中心とした地域です。平成の大合併を機に面積が大きくなった長野市は、県庁所在地でありながらも田舎の原風景を残した地域や山間地域が多く残っています。暮らしやすいのはさることながら、善光寺や松代をはじめ史跡が多く残っていて歴史の深さを感じながら生活を送れます。

長野地域は、2019年10月の台風で一部、甚大な被害を受けましたが、これを機に防災への意識が高まりこれまで危険視されていた川の氾濫や土地の弱さへの対策が進むことが予想されます。被害を受けたからこそ、他の地域よりも安全で何かあったときに安心な地域へと生まれ変わろうとしています。

上田エリア

上田エリアの魅力は、自然や歴史、文化が充実していながらもショッピングモールや大規模な郊外店舗が一通りそろっていることです。上田駅周辺には、イオンモールとArioがあり、Arioの中には映画館も入っています。市街から少し離れインターチェンジのほうに行くと、洋服店、家具店、電気屋さんなど日常生活に必要なお店の大規模店舗がズラリ。

一方、上田市は10年ほど前は空き屋が多かったのですが、近年、移住者を中心に中心市街地の空き家をリノベーションしおしゃれな空間に生まれ変わらせるケースが増加。歩きたくなるおしゃれな市街として少しずつ認知度を高めています。

上田エリアは、首都圏へのアクセスがいいだけでなく長野県内どこでもアクセスがいいことも強みの一つです。避暑地として有名な軽井沢まで車で1時間、長野県の県庁所在地で善光寺がある長野市まで同じく車で1時間、白樺リゾートファミリーランドまで車で1時間弱、長野県内第2の都市でこちらも移住先として人気の松本市まで車で1時間で行けます。

佐久エリア

北陸新幹線長野新幹線の佐久平駅ができてから、中心地域である佐久市の風景が一変したのが佐久エリアです。それまではなかった大型ショッピングセンターや郊外型の量販店が多く立ち並ぶようになり、暮らしやすさが一気に増しました。さらに、新幹線の駅ができたことで東京駅まで1時間で出られるようになりました。長野県内で東京に最も早く行ける市が佐久市になったので、首都圏と長野県の二拠点居住がしたい人におすすめです。

北アルプスエリア

世界的ウィンターリゾートである白馬村小谷村を抱える北アルプスエリアは、ネイチャーアクティビティの宝庫!冬はスキースノーボード、春は田んぼにうつる山の景観が美しい水鏡、夏は日本の屋根北アルプスで登山、秋は紅葉が美しい池田町の七色オオカエデ、芸術の街として認知度が上がってきた大町市で芸術を楽しめます。

この地域のもう一つの特徴は、社会福祉制度が整っていること。松川村、池田町、大町市は直近の2度の国勢調査で男性もしくは女性の平均寿命ランキングTOP10にランクインしている世界的にも長寿な地域です。第2の人生、第2の人生後の人生を楽しむために北アルプス地域に移住する選択はきっと楽しいはず。

松本エリア

長野県内で2番目に人口が多い松本市を中心に広がる松本地域は、文化度が高い地域として国内外で知られています。県内最大規模のお祭りで老若男女踊り楽しむ「松本ぼんぼん」、繩手通りを周辺がかえるだらけになる異色の「かえるまつり」、地方の野外音楽フェスティバルとして徐々に認知度が高まっている「りんご音楽祭」、そして世界中から一流の音楽家が集う「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」などなど。ここにあげたのは松本市のお祭りですが、周辺市町村も独特の文化を残しています。

松本エリアは、ライフスタイルも多様です。山間の集落には昔ながらの生活や田舎暮らしが息づいており、一部の地域では平地では難しい有機農業やオーガニックな生活、パーマカルチャーを実践している人もいます。 松本市中心部の都市的環境にアクセスがいい場所で農的生活ができるのが松本エリアです。

木曽エリア

木曽エリアは、長野県の中信地域では珍しい東海圏の影響を色濃く受けている地域です。中日新聞の購読者割合が高かったり、愛知の企業の支店があったり、特急しなの(振り込電車でとても酔いやすいことで有名)で2時間弱で名古屋駅と行き来できたりします。一方、欠点は近くに10万規模の都市的地域が無いこと。塩尻市松本市に出るのにも、中津川市多治見市に出るのにも車で30分以上かかります。冬になると陸の孤島になる日も…

その昔、島崎藤村がこの地を見て「木曽路は全て山の中」といった時代から変わらない景色を残すのも木曽町の特徴。中山道の妻籠宿を含め多くの宿場が木曽エリアには当時のまま残っており、今では長野県を代表するインバウンド観光地となっています。

諏訪エリア

諏訪エリアは長野県最大の湖である諏訪湖の周辺に広がる地域です。古くから製糸業で栄え、いまでもいたるところに当時の面影が残っています。製糸業で富んだこの地域では、その後、教育環境の整備や投資に力を注ぎ長野県内屈指の起業家輩出地域となっています。すかいらーくグループ、EPSONなどなど、他にも諏訪エリア発の企業がたくさんあるので、長野で起業したい方や子どもの教育に力を入れたい方におすすめです。

諏訪エリアは、アクセスの良さも特徴的です。諏訪市内から車で10分走ると諏訪インターがあるほか、岡谷駅、

上伊那エリア

南信州エリア

長野県への移住を決めたあなたへ

「長野に移住しよう」と決めたあなたへ、できるだけ後悔しないために選択肢を用意したくて書きました。助成金は、子育て支援は、交通インフラは?気になることはたくさんあるかと思いますが、今回は「環境」に重きを置いてご紹介。

わたしは図らずとも長野県内で3度引越しをしています。住んでみないと分からないこともあるはず。まずはゆるっとお試し移住、してみませんか?

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この記事を書いた人

Yamamoto Maya

Skima信州代表/地域コンテンツデザイナー
信州大学人文学部、出版社を経て2016年に個人事業主として独立。ライター業、WEBサイト制作、SNS運用など幅広く活動中。自身では長野県の観光WEBサイト「Skima信州」や旅ブログ「ごしゅメモ」などを5サイト運営。長野県内観光メディアや自治体サイトの企画・執筆や地域イベントの運営などに携わる。