SDGsは目標や理念だけをみると分かりやすく世界の共通言語となっていますが、実際にどのように掲げられた目標を達成するかとなると一気に話は難しくなります。自治体は何をすればいいのか、企業は何をすればいいのか、そして学校では子どもにどう教えればいいのか悩みどころです。
そこで楽しくSDGsについて学んだりアクションプランを設計できるのがSDGsゲームです。カードゲームやボードゲームなどここ数年で一気に増えたSDGsゲームの中から5つをピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。
2030SDGs|2030年に17の目標達成までの道のりを体験するカードゲーム
2030SDGsは、一般社団法人イマココラボとプロジェクトデザインという団体が共同開発したカードゲームです。SDGsで掲げられる17の目標を2030年に達成するまでの過程を体験する内容になっており、SDGsの本質である「なぜSDGsがいまの世界で必要なのか」「SDGsの目標を達成するための行動によって世界にどんな変化がもたらされるのか」「SDGsを人々が意識することでどんな可能性がある野か」などについて学べます。
ゲームは与えられたお金と時間を使いプロジェクトを実施することでゴールを達成する内容。参加人数は最小5人~50人程度で同時プレイできるので学校のクラスや職場で大人数が参加して楽しめます。時間は3時間程度と少し長めですがゲーム後の解説や振り返りも大切な時間なので時間に余裕をもって行うことをおすすめします。
2030SDGsには公認のファシリテーターがおり全国各地でゲームを体験するイベントを開催しているので、まずは1度イベントに参加することで様子がわかると思います。また現在は2030SDGsは、ファシリテーター養成講座を受講した人のみが利用できる状態なのでその点だけ要注意です。
SDGsボードゲーム|すごろくゲームでミッションクリアにチャレンジ
SDGsボードゲームはSDGsに関する世界の課題解決事例を楽しく学びながら 「SDGs達成」と「自己成長」を目指すゲームです。現実に近い流れでSDGsを楽しく学びつつSDGsの大切なポイントをアクティブラーニング形式で体感できるゲームになっています。
ゲームの流れは、各プレイヤーが年間予算やSDGs達成期限の2030年までという限られた時間の中で2つのゴール(①SDGsの達成(各目標でスコア10を目指す!) ②自己成長(各プレイヤーのランクアップ!))を目指します。ゲーム中で使うミッションカードには実際行われたSDGsに関する事例が、課題・解決策という形でまとめられているので、プレイヤーは楽しく事例を学べるのが特徴です。
SDGs de 地方創生|SDGsと地域活性化・地方創生の関連を学ぶ!
SDGs de 地方創生は、地方創生に取り組む自治体や社会的団体の具体的な事例を題材に、多様なプロジェクトの実行を通して「行政と市民による協働」を体感できるカードゲームです。このゲームの特徴はSDGsが関連する分野の中でも「地方創生」にフォーカスしている点。ゲームでは地方創生の成功例と失敗例の間にある違いを考え、起こりうる障害や課題を理解することで参加者1人1人がその日から行動を起こすキッカケを与えるような内容になっています。
2030SDGsと同様にSDGs de 地方創生もファシリテーター養成講座を受講し、公認ファシリテーターにならないと、ゲームを用いたワークショップを主催・開催することはできません。カードゲームとはいえSDGs関連のゲームはファシリテーターなしでは進めることが難しいものがまだまだ多いのが現状です。理由は一定以上の質を担保しスムーズにゲームを運営しかつ多様な参加者がコミットするため。SDGs de地方創生の場合、公認ファシリテーター養成講座は受講費用のみで132,000円、1年間のサポート費用込みで145,000円です。
JICAが提供するSDGsを学べる教材はバリエーション豊富!
JICAは国際協力の経験を通じ培ってきた知見を、日本の教育に貢献するために教育事業を数多く行っておりSDGsを学べる教材もそこに含まれます。JICAの教材の特徴はとにかくバリエーションが豊富なこと!そして英語版がいくつかあることです。教材は学校現場で特に使いやすいように設計されており以下のようなものがあります(逆にいうと企業向けのものは少なめ)。
- SDGs多面体サイコロ・クイズ・塗り絵
- DGsすごろく『ゴー・ゴールズ!』
- 新聞を活用してSDGsを考えるワーク
- SDGsカード
楽しく学ぶゲームというよりは勉強として活用するタイプの教材を数多く発案・紹介しているのがJICAの特徴です。下記のサイトからはJICAの教材やJICAが自信をもって紹介する信頼できる各種教材がダウンロード・閲覧できるのでぜひ参考にしてみてください。
SDGsアウトサイドインゲーム|ビジネスシーンのSDGs活用を体験
SDGsアウトサイドインカードゲームはビジネスにおいてSDGsを活用することに焦点を絞っています。よって学校で子ども向けに手段でやるというのはあまり向いていません。SDGsは政治のアクションだけでは到底達成できない目標であり「どれだけ企業がコミットメントするか」が鍵です。自身の企業が得意なスキルを生かし持続的に利益をあげつつ世界の課題を解決していくためにどうすべきなのか、これを考えられるのがSDGsアウトサイドインカードゲームなのです。
ゲームの名前にもなっているアウトサイド・インとは簡単にいうと「社会課題の解決を起点にしたビジネス創出」を指します。顧客のさらに向こうにある社会のニーズをとらえビジネスにしていく、これがアウトサイド・インという考え方です。
こちらのゲームも1つ目と3つ目同様に公認ファシリテーターになることで主催・開催ができるようになります。企業においてSDGsに本腰を入れていく場合は社員の1人が各種ゲームのファシリテーターになるという選択肢はありだと思います。
SDGsゲームで子どもも大学生も企業も楽しく学ぼう!-
この記事をみていただいて分かるように本格的なSDGsゲームを実践する場合は公認ファシリテーターが必要になるケースが多いことが分かります。個人でファシリテーターになろうと思うとハードルが高い料金設定をしている団体もあるので、まずは数千円で体験できるセミナーに参加したり無料で使えるキットを最大限活用してみるのがおすすめです。ここで紹介した以外にもSDGsを楽しく学べるゲームは多種存在するのでぜひ探してみてください。もっとSDGsについて知りたい方は本文後の記事をご覧ください。
KAYAKURAではSDGsに関する講座や勉強会の講師・WSのファシリテーション、SDGsと関連した地域活性化・地方創生・観光インバウンド・移住関連事業のサポート/コーディネートを行っております。お困りの方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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この記事ではSDGsの専門家としてAbema Prime Newsへの出演や、吉本興業所属の芸人さんとコラボ経験のある筆者が、子どもが楽しくSDGsを学べるおすすめの本を6冊ご紹介します。