GO TO キャンペーンとは?終了までの事業内容・課題をわかりやすく解説

政府は2020年5月25日に、新型コロナウイルスの感染拡大によって大きく打撃を受けている観光業や飲食業向けの需要喚起策を行うことを決定しました。現時点(5月25日)時点では一部の情報しか解禁されていませんが、各メディアや政府の発表情報をもとにわかる範囲の情報をまとめました。

この記事は政府からの発表があるごとに随時更新していきますので、ぜひ定期的にチェックしてみてください。

新型コロナウイルス後の観光について予測分析した記事はこちら
→新型コロナウイルスによって日本の観光はこう変わる-コロナ後に広まる8つの観光スタイル-

観光業や飲食業の需要喚起策の名称は?

政府の発表によると観光業や飲食業の需要喚起策の名称は「GO TO キャンペーン」に決定しました。この文字列だけ見ても新型コロナウイルス関連であることが分かりづらく、観光関連の施策は似たような名称のものも過去にはあったので、情報を間違えないように注意しましょう。

観光業や飲食業の需要喚起策「GO TO キャンペーン」は開始予定時期は8月

政府は6月21日の発表でGO TO キャンペーンを「8月はじめ」から実施する方針を固めたことを発表しました。緊急事態宣言の解除から約2か月後を目途とした実施のようです。(追記:事務費の問題などで当初は開始予定が7月下旬だったが2週間ほど遅れたカタチになった)

観光業や飲食業の需要喚起策「GO TO キャンペーン」の予算規模

政府の発表によるとGO TO キャンペーンには、令和2年度第1次補正予算で約1兆7千億円(1兆6,794億円)が計上されます。

観光業や飲食業の需要喚起策「GO TO キャンペーン」の予定内容

政府の発表によるとGO TO キャンペーンで実施予定の内容としては、以下のようなものが挙げられています。ここに挙げたもの以外にも実施される内容はいくつかあると考えられます。

  • 国内旅行の代金を半額補助(1人あたり1泊あたり最大2万円)
  • 土産物店などで使えるクーポン券を発行
  • 飲食店向けのプレミアム付き食事券の発行
  • イベントチケットの割引

観光業や飲食業の需要喚起策「GO TO キャンペーン」展開のための予定

政府は5月25日に緊急事態宣言を全面的に解除しました。基本的対処方針には、外出自粛を7月末ごろまでに段階的に緩和する計画を盛り込むと考えられています。よってGO TO キャンペーンが実施される8月はじめには外出自粛は今と比べて相当緩和されている、もしくは段階的に緩和し状況が悪化しなければ完全に外出自粛要請をやめる可能性もあります。

今後政府は、観光業や飲食業の事業者や利用者にGO TO キャンペーンをPRし、夏休みの旅行シーズンにあわせて実施できるように準備を進めていくようです。

GO TO キャンペーンの事業実施体制

GO TO キャンペーンは国がまず民間事業者に事業を委託します。続いて民間事業者にさらに委託され、そこから消費者にキャンペーンがおりていきます。注意点として現時点ではGO TOキャンペーンの中でもGO TO TRAVEL キャンペーンについて「旅行業者等経由で、期間中の旅行商品を購入した消費者に対し」と書いてるので、この「旅行業者」がどこまでを指すのかが事業の有効性のポイントになってくると考えられます。続報を待ちましょう。

GO TO キャンペーンの中のGO TO EATキャンペーンに関しても、4月時点では「オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、飲食店で使えるポイント等を付与(最大一人あたり1000円分)。登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(2割相当分の割引等)を発行。」とキャンペーン内容が想定されていたので、こちらも「オンライン飲食予約サイト」がどこまでを指すのか、何を指すのかが事業の有効性を考えるうえでポイントになってくるでしょう。

観光業や飲食業の需要喚起策「GO TO キャンペーン」への期待と課題

筆者はこれまで地方の観光インバウンド事業に携わってきましたが、観光事業者の視点から今回発表があったGO TO キャンペーンがどうみえるのか解説していきます。

GO TO キャンペーンへの期待

新型コロナウイルスによって壊滅的な被害を受けている観光業を立て直すためには、国民が新型コロナウイルスというリスクを念頭に置きつつも観光に行きたくなるような「インセンティブ」が必要です。GO TO キャンペーンが想定している「国内旅行の代金を半額補助(1泊あたり最大2万円)は、国民がちょっといい旅館やホテルに泊まるインセンティブとして有効になると考えられます。

1人あたり1泊最大2万円ということは、通常4万円の旅館に2万円で泊まれるということです。GO TO キャンペーンは「コロナで外出できなかったし、せっかくだからこの機会にいいところ泊まろっか!」と考えるインセンティブとして期待できるでしょう。

GO TO キャンペーンの想定される課題

第一の課題として、消費者にとって気軽にキャンペーンに参加できるような仕組みが構築できるかがあります。新型コロナウイルス以降、政府がオンラインを通して申請を受け付けた各種取り組みではいくつか問題が発生しました。

GO TO キャンペーンも基本的にオンライン上で申請や手続きが進んでいくと考えられるので、既存のプラットフォームとどう連携していくのか、独自のサイトを構築する場合はユーザビリティの高いものになるのか、この点が課題として考えられます。

第二の課題として、例年は需要が高まる夏休みが短くなることがあげられます。小学校~高校では授業開始が遅れたことで夏休みが短くなることが議論されています。ただでさえ欧米各国と比べて夏休みが短い日本がさらに夏休みが短くなると、短い期間に需要が一気に集中し例年以上にパニックになるor三密になる可能性もあります。

観光業や飲食業以外の分野とも横で連携しながら、どの程度の期間キャンペーンを実施するのか、課題をどうすれば克服できるか検討していく必要があるでしょう。

まとめ-GO TO キャンペーンは観光業や飲食業の需要喚起にどの程度つながるか-

5月25日現在、公表されている情報からはまだわからない部分が多々あるため今後の続報を注視する必要があります。予算規模としては決して小さくないものの、過去に例を見ないほどにダメージを受けた観光業や飲食業がGO TO キャンペーンでどの程度立ち直れるのかは現時点では予測不可能です。しかし事業者は使えるものは積極的に使っていくことが立ち直るためには大切なので、引き続きKAYAKURAでは新たな情報があれば随時更新していきます。

参考資料
・令和2年度国土交通省関係補正予算の概要
・Yahoo!ニュース(ソース:読売新聞)

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この記事を書いた人

KAYAKURA 編集部

これからの地域・社会・観光を考えるWebサイトKAYAKURA編集部です。編集部記事では、KAYAKURAメンバーの専門性を生かした記事や、わかりやすくまとめる解説系記事を公開しています。