【振り返りレポート】地域のモヤモヤをワクワクに変えるための地域講座in長野県千曲市

千曲市 地域講座

長野県千曲市では2021年7月~12月にかけて「地域のモヤモヤをワクワクに変えるための地域講座」と題したまちづくり連続講座をオフライン+オフラインにて開催してきました(主催:千曲市中心市街地活性化推進協議会 共催:千曲市, KAYAKURA)。

少子高齢化、人口減少、さまざまな事業やイベントの担い手不足など、地域には多くの課題があります。それらは決して他人事ではなく、全ての課題が地域で暮らす私たち一人ひとりの暮らしや未来とつながっています。

「まちづくり」「地域活性化」と聞くと、行動的な人や一部の優れた人だけが行えるものと思う人もいるかもしれません。しかし暮らしの土台となる地域を元気にできる可能性は、誰もが秘めています。難しい課題がたくさんある時代だからこそ、多様な人たちで地域のモヤモヤをワクワクに変えることが重要です。

こうした思いをもとに講座では多様な講師の皆さんをお招きし、地域のモヤモヤをワクワクに変える方法を学んできました。そこでこの記事では全5回の講座+番外編1回の様子を簡単にまとめお届けします。

→講座や講師の方々の詳細情報はこちらのページをご覧ください。

7/25 第1回地域を元気にする取組を知ろう!

千曲市 地域講座
講師のTURNSプロデューサー 堀口様

記念すべき第1回講座は、いま地方自治体が置かれている現状を学び、千曲市で起こり始めている新たな取り組みを知り、全国のワクワクする事例をたくさん聞いて自分たちの課題を見つめなおす講座を実施。

会場は本講座の主会場となる千曲市市民交流センター「てとて」。行政職員や地域おこし協力隊をはじめ、近隣地域でまちづくり活動に取り組む皆さんにご参加いただきました。

講師に雑誌TURNSプロデューサーで総務省地域力創造アドバイザーの堀口様と、本Webサイトを運営するKAYAKURAの伊藤を迎え、地域をめぐる課題や先進地域の取り組みを学びました。

千曲市 地域講座
ワークショップの様子

講座後半では、グループごとに分かれて千曲市と近隣地域の好事例を共有するワークショップを実施。地域では日々新たな取り組みが始まっていますが、普段所属しているネットワークの外にある情報はなかなか入ってこないもの。共有した事例について講師の堀口様からマクロなトレンドと結び付けたコメントをいただき、本講座をきっかけにTURNSによる取材が実現した事例もありました。

ワークショップ終了後、参加者の方からは「隣市に住んでいるのに、こんなに知らなかったことに驚いた」「参加してみたいと思った」などの反応が。講座自体が新たなつながりを生み出す機会として機能しました。

(第1回にご参加いただいた清水様は、構想段階だったプロジェクトをその後具体化し交流会では具体的なプロジェクトの進捗についてお話してくださいました。)

8/21 第2回 地域に「居場所」をつくる若者の取組から学ぶ

千曲市 地域講座
講師の一般社団法人zingzing代表理事 荒木様
千曲市 地域講座
講師の信州大学大学院 東様

第2回は長野県内と東京都内で人が集う地域の居場所づくりに関わる講師をお招きして、周囲の人をどうすればコミュニティに巻き込めるのか、ゼロから事業を軌道に乗せるためにはどうすればいいのか、いまの時代に求められる地域の居場所とは何かなどお話していただきました。

第2階の講師は2人。1人目は一般社団法人zingzing代表理事で、自分が欲しかった「居場所」が今日も誰かを支える”をコンセプトにした都内で地方就活生が泊まれるゲストハウス「そのまんま荘」を運営している荒木様。

2人目は信州大学大学院建築学専攻で、学部1年次の授業をきっかけに友人とまつもと空き家プロジェクトを起ち上げ、現在はジンバブエの首都にてチャイルドケアセンター建設プロジェクトに取り組んでいる東様。

千曲市 地域講座
第2回はオンラインで実施

荒木様には自身が運営するゲストハウス「そのまんま荘」の立ち上げ~現在までのストーリーについてご紹介いただき、事業が軌道に乗るまでにかかえる悩みや成功体験など体験した当事者しか語れないリアルな事例を共有いただきました。

東様からは、以下7つのモヤモヤをワクワクに変えるための具体的な方法を事例に沿ってご紹介いただきました。

  1. 自分勝手なコンセプト
  2. 最高の素人
  3. 小さなことからはじめてみる
  4. 自分たちが楽しめる運営を
  5. 目的は人それぞれ
  6. 終わりをデザインする
  7. 理由は後付けでもいい

講座終盤では、お2人の講師に千曲市でゲストハウスを運営する鍛冶様を交えて居場所づくりのポイントについてトークセッションを行いました。三者三様、答えと方法はそれぞれでありながらも根底では共有する重要な部分が見えた気がしました。

9/19 第3回 千曲市の新しい取り組みと支援体制を知る

千曲市 地域講座

9月19日に開催した第3回では、千曲市でワーケーションなどのまちづくり事業を仕掛ける株式会社ふろしきや代表 田村様、地元長野県の金融機関として地域の皆さまの資産形成やさまざまなニーズに応える長野信用金庫 下平様、市民のまちづくり事業を支援する千曲市役所産業振興課・市民協働課の吉村様・伊藤様をお招きし、千曲市での新たな動きと支援体制について学びました。

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講師の株式会社ふろしきや 田村さん
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講師の長野信用金庫
千曲市 地域講座
千曲市担当者

田村様からは「コミュニティで活動する際に“こうあるべき”や“これをやるべき”といった正義感よりも、その活動により“誰がハッピーになるか”を考えている。」「関係者や仲間の輪を広げていくためには、ギブ&テイクの関係だけでなく、恩や思いやりの循環関係を意識することが大事。」など実践するうえで大切にしていることを教えていただきました。

長野信用金庫の下平様からは金融機関である信用金庫が行う地域活性化事業や、社会的に意義のある事業者への支援の仕組みなどについてご説明いただきました。

千曲市産業振興課・市民協働課の吉村様・伊藤様からは、市による市民活動支援の仕組みや活用方法についてわかりやすく整理して共有いただきました。

講座終了後には参加者が各講師のもとに相談する光景もみられました。また参加者の方からは「地域のために活動されている事例だけでなく、金融機関や行政の支援制度を一度に聞くことができとても参考になった」という声もありました。官・民間・金融機関が一堂に会しそれぞれの立場や特徴を比較説明する機会はあまりないため有意義な講座となりました。

12/4 番外編 千曲市まちづくり交流会

千曲市 地域講座
会場のGororiの様子

12月4日に講座番外編として、講座参加者による新たな居場所づくりの取り組みを応援することと、参加者間で交流することを目的としたイベントをコワーキングスペースGororiで開催しました。

当日は長野県ソーシャルイノベーション創業支援金に採択され、千曲市で取り組みを行おうとしている田中様・清水様をゲストに迎えました。またオンライン開催となった第2回講座の講師 荒木様・東様にも千曲市にお越しいただきました。

千曲市 地域講座
ゲストの田中さん
千曲市 地域講座
ゲストの清水さん

田中様は本と書店を活用したまちづくりの構想についてプレゼン。なぜ地域の書店がまちづくりの鍵を握るのか、なぜ本を媒介することでつながりが生まれるのかなどご説明いただきました。

清水様は空き家を活用したゲストハウス&シェアハウス事業についてプレゼン。事業を行う決断までの背景や、昭和レトロな寅さんの時代の良さを生かした居場所づくりへの思いについてご説明いただきました。

千曲市 地域講座
まちあるきの様子
千曲市 地域講座
カフェ CLOUD CUCKOO LANDにて

講座後半では戸倉上山田のまちあるきを実施。清水様がこれからDIYを行う物件の見学と、2021年春に空き家を改装してオープンしたカフェ CLOUD CUCKOO LANDの見学を行いました。

清水様の物件を見た参加者からは「ここはこんな風に使えるんじゃないか」「この窓枠はきれいにして活用したいね」にDIYに関する具体的なコメントのほか、「ぜひリノベーションに関わりたい!」など協働に意欲をみせる声も聞かれました。田中さんと清水さんの今後の取り組みに注目です。

12/19 第4回5回 基礎から学べるInstagram活用術

千曲市 地域講座
当日の会場の様子

12月19日の午前午後に開催した第4回第5回目は、Instagramを活用した個人でもできる発信力講座を開催しました。

講師には長野県最大規模の観光WebサイトSkima信州代表の山本様をお招きし、地域課題の解決や個人・企業の売り上げアップにつながるInstagramを活用した情報発信の基本と応用方法を学びました。

千曲市 地域講座
講師のSkima信州 山本様

山本様の講座では参加者一人ひとりがアプリを開いて、教わったことを実践しながらInstagramの使い方を学びました。山本さん曰く「テクニックも大切ですが、まずは基本の使い方をマスターしてInstagramを楽しんで継続していくことが重要です」とのこと。当日は参加者の皆さんも楽しみながら講座に参加していました。

千曲市 地域講座
ワークショップの様子

午後の部では、学んだことを生かしてどのようにInstagramを活用したいか考えるワークショップを実施しました。グループごとに各参加者の目的や対象者を発表し具体的な活用方法についてディスカッション。行政、個人事業主、企業、地域活動など、使う場面や使う人によって同じアプリでもこんなに活用方法が異なるのかと驚きました。

山本様曰く「大切なのは”何を届けたいか””誰に届けたいか”を明確にすること」。目的に応じて適切な手段を活用することが情報発信では重要です。

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ボヘミアン珈琲の様子

第4回5回は松本市を中心にコーヒーの移動販売を行う団体 ボヘミアン珈琲の皆さんに会場にて淹れたてのコーヒーを振舞っていただきました。会場内にはコーヒーの良い香りが漂っており、長時間集中して講座を行うことができました。

最後に-千曲市ではさまざまなまちづくり活動が行われています-

千曲市講座カバー画像

以上、地域のモヤモヤをワクワクに変えるための地域講座 in 長野県千曲市の振り返りレポートをお届けしました。講座にご参加いただいた皆様、講師の皆様、そして運営に携わってくださったスタッフの皆様ありがとうございました。

長野県千曲市では本講座で講師・ゲストを務めた皆さんの取り組みをはじめ、さまざまな取り組みが行われています。以下のリンクでは、こうした取り組みの様子や成果物の一部がご覧いただけますので、ぜひご覧ください。

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最後に、効率よく学ぶために本を電子版で読むこともオススメします。

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この記事を書いた人

KAYAKURA 編集部

これからの地域・社会・観光を考えるWebサイトKAYAKURA編集部です。編集部記事では、KAYAKURAメンバーの専門性を生かした記事や、わかりやすくまとめる解説系記事を公開しています。