経済産業省中小企業庁が7月3日に家賃支援給付金に関するお知らせを公開しました。家賃支援給付金とは5月の緊急事態宣言の延長等により、売上の減少に直面する事業者の事業継続を下支えするために、地代・家賃(賃料)の負担を軽減する給付金です。
本記事では公開されたばかりの情報をわかりやすく解説していきます。支給対象の条件3つとは?給付額は?個人事業主/フリーランスは当てはまるの?など。ぜひ参考にしてみてください。(※7月7日公開の最新情報追記済み)
家賃支援給付金とは
- 家賃支援給付金とは5月の緊急事態宣言の延長等により、売上の減少に直面する事業者の事業継続を下支えするために、地代・家賃(賃料)の負担を軽減する給付金です。
今回の家賃支援は個人を対象としたものではなく、事業者を対象としたものである点に注意が必要です。
家賃支援給付金の支給対象となる3つの条件
家賃支援給付金の支給対象となるには、以下の3つの条件をすべて満たす事業者である必要があります。
- 資本金10億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者(医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人も幅広く対象)
- 5月~12月の売上高について、1ヵ月で前年同月比▲50%以上 または、連続する3ヵ月の合計で前年同期比▲30%以上
- 自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払い
家賃支援給付金はフリーランス/個人事業主も支援対象 自宅兼事務所も対象に
家賃支援給付金の特徴はフリーランスを含む個人事業主も対象となっている点です。また会社以外の法人も支援対象となっており多くの事業者がその対象となります。個人事業主が悩むのが「自宅兼事務所の家賃は対象となるのか問題」です。
今回の場合は自宅兼事務所も対象になるということですが、確定申告書における損金計上額など、”自らの”事業に要する部分に限ります。また自己保有の土地や建物について、ローン支払い中の場合は対象とならないので、この点は注意が必要です。
家賃支援給付金の給付額 個人事業主の場合は最大300万円
家賃支援給付金の給付額は、法人の場合は最大600万円、個人事業主の場合は最大300万円を一括が一括で支給されます。重要なのは算定方法です。どれだけ上限が高くても算定方法によって支給される金額は変わります。
今回の場合は、申請時の直近1ヶ月における「支払い賃料(月額)」に基づいて算定した給付額(月額)の6倍となります。
支払い賃料(月額) | ||
法人 | 75万円以下 | 支払い賃料×2/3 |
75万円超 | 50万円+[支払賃料の75万円の超過分×1/3] ※ただし、100万円(月額)が上限 | |
個人事業主 | 37万5000円以下 | 支払賃料×2/3 |
37万5000円超 | 25万円+[支払賃料の37.5万円の超過分×1/3] ※ただし、50万円(月額)が上限 |
給付率1/3の上乗せ分が適用され、給付額(月額)の上限が100万円や50万円になるのは、複数店舗を有する事業主だけではありません。支払い賃料が高額な事業者の場合は、有する店舗数が1つでも適用となります。
借地についても今回は家賃支援給付金の対象となります。なお、借地上に賃借している建物が存在するか否かは問いません。例えば駐車場や資材置場等として事業に用している土地の賃料などです。
管理費や共益費については、賃貸借契約において賃料と一体的に取り扱われているなど、一定の場合には含まれます。また地方自治体から賃料支援を受けている場合も対象とはなりますが、給付額の算定に際して考慮される場合があります。
家賃支援給付金申請開始日はいつから?7月14日申請受付開始予定
家賃支援給付金の申請受付開始日は7月14日からの予定です。現在、申請受付ページは準備中とのことなので、準備ができ公表され次第チェック必須です。
申請受付開始後、売上減少月の翌月~2021年1月15日までの間であれば、申請はいつでもできます。給付額は申請時の直近1ヵ月における支払賃料に基づいて算定されます。
家賃支援給付金申請書類
7月3日時点では以下のものが必要となることがわかっています。なおオンライン上で申請は可能なので、特に本人確認に必要な添付書類をしっかり確認しておきましょう。
- 賃貸借契約書
- 通帳
- 本人確認書類(詳細はこちら)
- 確定申告書
- 今年の月別の売上がわかるもの
本人確認書類と売り上げがわかる書類に関しては、持続化給付金と同じです。その他、必要な書類や書類の詳細については以下をご覧ください。
追加情報:家賃支援給付金申請要綱・申請書類・ガイドライン要件公開
7月7日に申請要綱が公開されました。申請要綱は中朝法人向けと個人事業主向けで異なるため、当てはまる法の原則と別冊をしっかりと確認しましょう。
- 申請要領(中小法人等向け)原則(基本編)(PDF形式:6,457KB)
- 申請要領(中小法人等向け)別冊(PDF形式:6,698KB)
- 申請要領(個人事業者等向け)原則(基本編)(PDF形式:10,582KB)
- 申請要領(個人事業者等向け)別冊(PDF形式:3,261KB)
家賃支援給付金の申請サポート会場設置予定
「家賃支援給付金の申請をすべて自分でオンライン上でやるのは心配!」という方向けに、順次「申請サポート会場」が解説される予定です。詳細な会場情報はまだ出ていませんが、電子申請が心配などの理由で諦めようと思っている人は情報要チェックです!
家賃支援給付金の詳細は随時公開予定・相談ダイヤル
経済産業省によると、続報は随時公開していくとのこと。上記の内容に関して質問などがある場合は、以下の相談ダイヤルから相談しましょう。
相談ダイヤル:家賃支援給付金コールセンター 0120-653-930 (平日土日祝日8:30~19:00)
家賃支援給付金についてKAYAKURAの視点👀
フリーランスの自宅兼事務所家賃も対象となるなど、対象の幅広さは好印象です。一方で最低限必要となる書類は持続化給付金同様に確定申告書や売上台帳が必要なため、収入が安定しない不規則なフリーランスにとっては厳しい条件です。
また、法人枠が会社以外も幅広く対象となっているのもポイントです。特にNPO法人等社会性が高い法人はこれまでの経験から対象にならないと決めつけずに、申請してみたほうがよさそうです。
参考資料:https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/pdf/yachin-kyufu.pdf